こんにちは、donutです。
新年度が始まり、街の雰囲気もどこか新鮮な空気を感じています。
新潟でも週末に桜の開花宣言が出たので満開が待ち遠しいですね。
今回は、前回掲載した日本酒編に引き続き、デジタル技術とワイン・ウイスキーの発展について
書いていきたいと思います。
シリーズ化しつつありますがお付き合いいただければ幸いです笑
AI×NFT=ウイスキーが製造できる?
スコットランドにある蒸留所「ザ・グレンリベット」は、2024年2月にNFT(非代替性トークン)(※)と
AI(人工知能)を活用し、50年熟成したシングルモルトウイスキーである「ザ・トゥエルブ・エレメンツ」を発売しました。
(※)NFTは「Non-Fungible Token」の略で、日本語で「非代替性トークン」と呼ばれています。
偽造ができない鑑定書や証明書付きのデジタルデータ(いわばはんこのようなもの)であり、
ゲームやファッション・スポーツ・不動産など、様々なジャンルやコンテンツでの実用化が
進められています。
<参考>
◆The Glenlivet:The Twelve Elements(グレンリベット公式)
1974年以来、保管されていた12本のボトルのデザインはAIで行われ、ブロックチェーン技術によって
「ウイスキーエクスチェンジキャビネット」を介して購入することで、認証と所有権を証明できる
デジタル証明書(NFT)を受け取ることが可能となります。
お値段は1本約43,000ドル(約400万円)となかなかのお値段ではありますが、
ザ・グレンリベットの取り組みは、伝統的なウイスキー製造技術とデジタル認証技術を
組み合わせることで、ユーザーに対して新しい所有体験を提供していきます。
ウイスキー愛好家やデジタル技術に関心のある人にとっても、現代的な方法で体験することができます。
ワインやウイスキーの偽造を防ぐNFT技術
偽造ワインやウイスキーの主な特徴として、産地や製造年月日の偽造、ボトルの中身を入れ替えて
販売、中には単純にラベルを貼り変えただけのものが市場で販売されることがあります。
偽造されたワインの被害金額は、調査対象の店舗や所有者自身が鑑定依頼したワインでない限り
分からず、本物だと思い込んでそのまま飲んでしまう消費者がいることも事実です。
生産者から見れば厄介極まりないものではありますが、こちらでもNFTの導入が進められています。
前述の通り、NFTでは改ざんが不可能かつ「唯一性」が証明できるため、ワインやウイスキーが
本物or偽物かについてもNFTを確認することで可能としています。
偽造対策に苦慮する中、デジタル技術を以って唯一無二のワインであることを証明できる
NFTが偽造酒を撲滅させるきっかけとなり得るのかが注目されますね。
AIでお酒の世界はどう変わっていく?
AIはワインやウイスキーの生産現場だけでなく、様々なサービスでも導入が進められています。
AIが好みのワインやウイスキーを推薦し、購入をサポートしてくれるアプリや店舗もある中、
時にはソムリエの存在意義が問われることもあるかもしれません。
しかし、産地や歴史、保管状況や熟成度、ユーザーの体調や料理によって味わいは日々変化
していきます。そのため、ソムリエはAIを活用しながらこれまで以上にワインやウイスキーの
知識を蓄積し、お客様との交流と共により良いサービスを提供する可能性も期待されるでしょう。
今回は、ウイスキーとデジタル技術についてご紹介しました。
AIがもたらす影響や評価は計り知れないものもありますが、AIの結果が全てではなく、
あくまでもワインやウイスキーの生産性を向上させるためのサポーターであることを
念頭に置きながら生産が進められると良いと感じました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。