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DXで変わりゆくお買い物の形~小売業界の進歩と課題について~

執筆者 donut 更新日時 2022年9月26日

こんにちは、donutです。

今回は小売店とDXの関係と課題について触れていきたいと思います。

改めての解説にはなりますが、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の定義は以下になります。

デジタルテクノロジーの使用によってビジネスプロセスを変更し、
効率や効果を高める。
また、テクノロジーによって既存のサービスをデジタル形式で再現するだけでなく、
そのサービスを大幅に優れたものへと変えること。

「DX推進」という言葉をニュースで耳にすることもあり、一見すると
簡単であるように思えますが、長い年月と費用がかかる複雑なプロセスに
なることもあり、常に計画通りに進むとは限りません。

※DX推進については、経済産業省でも提唱されています。

 ◆DX推進指標(経済産業省より)

小売店×DXの技術の進歩

INSIGHT LABの主軸でもある「DX」ですが、日々の生活に欠かすことのできない
スーパーマーケットなどの小売店でも活用されています。

店舗販売をはじめ、オンライン通販の普及やUberEatsなどの
フードデリバリー事業の拡大などにより、「食品を購入する場」としての
スーパーマーケットの存在意義が考えられています。
また、従来のスーパーや小売店では従業員による手作業で
陳列作業が行われてきましたが、DXによって徐々にシステム化が進んでいます。
例えば、各企業において以下の技術が採用されています。

 ・Amazonや楽天などで注文した商品が翌日には配送される。
 ・店内にある専用のスマホを使用し、利用者自身が商品のコードを
  スキャンしながら買い物とお会計ができる(イオンの「レジゴー」)
 ・無人レジに商品の入ったカゴをそのまま置くだけで即座に
  精算金額が表示される。(ユニクロやGUなどで採用されています)
 ・機械で肌の状態をチェックし、その人に合った適切な化粧品を
  ピックアップしてくれる。(コーセーや資生堂など)

このように、顧客へ便利なサービスを提供するため、各企業ではデジタル技術を積極的に取り入れています。

DXによって期待できること

小売業界におけるDXの期待例として、以下が挙げられます。

 ①人件費の削減と人手不足の解消
 ②販売の効率化
 ③顧客満足度の向上

  人件費の削減と人手不足の解消
  →DX推進によって、手作業で行っていた業務の自動化ができれば
   人件費の削減にも繋がります。特に、数値入力やデータ入力作業の多くは
   ICTツール(※)を導入することで効率化が期待できます。
   (※)人と人、人とコンピューターが通信する応用技術であり、
      より便利にツール化したものになります。

   また、小売業界が抱える問題の一つとして、「慢性的な人手不足」があります。
   優秀な社員やアルバイトを採用しても、一人前になるころには退職…という
   ケースも珍しくありません。
   そのため、人材不足対策を解決する手段のひとつとして期待されています。


  ②販売の効率化
  →業務の効率化も期待されています。例として、AIを活用して人の流れの分析が
   可能になれば、棚の配置や商品陳列を調整することで販売促進に繋げることもできます。

   そして、需要を把握することで仕入れを適切にコントロールできるため、
   「売りたいタイミングで売れない!」というリスクや、
   「仕入れたけど殆ど売れずに在庫を抱えてしまう」という在庫リスクを
   軽減できる可能性があります。
   前述したリスク回避は、保存期間が短い生鮮食品を取り扱う
   スーパーマーケットにとって、恩恵は大きいといえるでしょう。


  顧客満足度の向上
   →人員不足の店舗では、行列が生じて顧客を長時間待たせてしまい、
    クレーム増加などのリスクが生じる可能性があります。
    DX推進は顧客対応の質を高め、顧客の購入意欲向上に繋がる可能性が考えられています。

    主要な例として、セルフレジの導入があります。
    顧客自身が会計作業を行うセルフレジを導入することで、
    レジ担当の店員が不要となり、人件費削減だけでなく、
    同時稼働ができるレジ数を増やすことができます。
    レジ数を増やせば並ばずにすぐに会計できるため、
    顧客の待ち時間の削減が可能となり、満足度の向上にも繋げられます。

小売店におけるDXの課題

小売店にとって「DX」は非常に便利で画期的ではありますが、
やはり多くの課題もあります。主な課題として以下が挙げられます。

ポイントが欲しい場合は専用のアプリをダウンロードし、会員登録を行う必要がある

今まではポイントカードを店舗で作成し、レジで精算時に提示することで
購入分のポイントが溜まっていく、というシステムでした。
しかし、ここ最近では各企業でポイントカードのアプリ化が大きく進み、
ポイントを貰いたい場合は、「アプリのダウンロード+会員登録」
行わなければならない店舗が増加しています。

多くのお店のカードを財布に入れなくてもよく、かさばらないから便利という
意見もある一方で、この手法は時に「面倒だなぁ」と感じる方も少なからずいらっしゃることでしょう。
特に、スマホの扱いがあまり得意ではない人から見ると、ポイントカードのアプリ化は
「アプリのダウンロード+会員登録」の時点でハードルの高さも感じる
可能性もあり、企業にとっても顧客に対してサービスが出来ないという欠点を
抱えてしまうことになりかねません。

もちろん「この店舗ではアプリ、この店舗ではポイントカード」のように
使い分けながら活用する方法も有効です。現状ではポイントカードとアプリの
両方でサービスを提供している企業も数多くあります。

しかし、顧客は決まった店舗や場所だけでなく、その日の気分や状況によって
異なるお店へ行くこともあれば、気が向いた時に新しいお店へ訪れることもあります。
そこで、前述したサービスを提示された時に「面倒だなぁ」と顧客に思われてしまうと、
DXを体験する手前で諦めてしまうこともあり、非常にもったいないなと感じます。

様々なアプリをダウンロードし、サービスを使いこなしている方もいるかと思いますが、
「サービスを利用する前のハードルを可能な限り低くする」ことが、小売店における
DXの課題ではないかと考えています。

  

日常的に利用しているスーパーマーケットですが、ここ数年で技術が大きく変わりました。
現在も小売店における人手不足等が問題となっていますが、
DXを推進することで、こうした課題を解決する糸口を見つけられる可能性が期待されます。

そして、トライアンドエラーを繰り返しながらも、新しい技術を取り入れて
効率化するDXの重要性は更に高くなるのではないかと感じました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

donut

執筆者 donut

生まれも育ちも新潟県新潟市。ビッグデータを基盤としたINSIGHT LABのビジョンや新潟の活性化事業に惹かれ、入社。趣味はカフェ巡りとゲーム、水族館にも行きたいです。

 

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