ごきげんよう、Sophyです。
皆さんは、『デジタル教科書』をご存じでしょうか?
教育現場のICT化が推進される中、デジタル端末の普及とともにデジタル教科書の導入が進められてきました。今回は、デジタル教科書に関して調査してみましたので、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
デジタル教科書とは
デジタル教科書とは、紙の教科書をタブレットやパソコンなどの電子機器で扱えるようにしたものです。定義としては、『教科書発行者が、紙の教科書の内容の全部をそのまま記録した電磁的記録である教材』としています。
デジタル教科書の在り方としては、『デジタル教科書自体はシンプルで軽いものとし、デジタルの強みを活かして他の様々な教材やソフトウェアと効果的に組み合わせ、個別最適な学びと共同的な学びの一体的な充実を図る』とされています。
令和3年4月からデジタル教科書の利用制限が撤廃され、本格的な導入に向けた取り組みが行われてきました。令和6年からは、デジタル教科書等の在り方や方向性が提示され、小学校5年生から中学校3年生を対象に「英語」「算数・数学」の教科で段階的な導入が進められています。
紙の教科書とは異なり使用の義務はありませんが、教科書の代わりに導入することで、使用義務の履行が認められています。
参考:デジタル教科書をめぐる状況
活用の度合い
現時点での小中学校(小学5年生から中学3年生)における整備率は、ほぼ100%(英語のみ)とされています。活用率に関しては、高いとは言い難いですが、令和4年から令和5年にかけて上昇傾向にあり、特に導入時期が早い学校ほど活用頻度の上昇がうかがえます。
政府においては、令和10年度に「デジタル教科書を実践的に活用している学校の割合」が100%になることを目指し、活用促進を図るようです。
参考:デジタル教科書をめぐる状況
メリットとデメリット
デジタル教科書を導入するメリットとデメリットをざっくりご紹介します。
■メリット
1.視覚や聴覚を使うことで学習効果が向上する
・音声やシミュレーション機能の活用により、難しい概念も直感的に理解することが期待される。
・背景色の変更や書き込み機能など、デジタル教科書ならではの機能もあり、子供たちの学習意欲向上も期待される。
2.学習の効率が向上する
・検索や整理が容易になることで、学習時間を有効に使える。
・学習課題や資料等を効率的に作成・配布することが可能になる。
3.学習の多様化
・場所や時間にとらわれず、複数の教科を学習することができる。
■デメリット
1.環境の整備
・タブレットの整備や安定した通信環境を十分に整える必要がある。
・端末故障の発生やセキュリティに関する対策が必要不可欠。
2.教員の負担増加
・操作方法やICTを活用した授業設計など、教員の負担が増加する可能性がある。
・教員のリテラシーやICTスキルによって、授業内容が左右される可能性がある。
3.健康面への懸念
・長時間の画面使用による視力低下といった身体的な影響や集中力の低下などに繋がる懸念がある。
デジタルの活用により得られるものは大きいですが、同時に対処すべき課題も生じるため、対応策を事前に講じる必要がありそうですね。
最後に
新潟県内の小中学校においても、ICT化やデジタル教科書の活用が推進されています。一人一台の端末が整備され、デジタル教科書ならではの機能を活用した授業を行うことで、教育の質の向上が期待されています。
現状では、子供たちのデジタル教科書への慣れや学習環境を豊かにするという観点から、紙とデジタル教科書の両方が用意されている環境(ハイブリッド)が必要とされています。それぞれの良さをうまく活用し、子供たちの特性に合わせた学習環境が整備されていくといいですね。