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学校現場の課題解決への第一歩に!教育DXについて解説

執筆者 donut 更新日時 2024年2月27日

こんにちは、donutです。

2月もあっという間に終わりに差し掛かっていますがいかがお過ごしでしょうか。

今回は、受験シーズンも近づきつつあることから教育DXについて触れていきたいと思います。

教育DXとは

教育分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)であり、データやデジタル技術を活用し、
学校教育をより良く変革することを意味します。
文部科学省では、情報化が加速度的に進むSociety5.0時代に向け、情報活用能力など
学習の基盤となる資質・能力を育む必要があることから、教育DXを推進しています。

<参考>
教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について(文部科学省より)

そんな教育DXには以下のメリットがあります。

<メリット>
 ◎教員の場合

 ①ICTを活用することで教員の業務を効率化できる
  →児童/生徒だけでなく、教員もデジタル端末活用で校内テストの紙面作成/採点/
   集計などの作業負担の軽減が期待されます。
   また、児童/生徒の学習状況もデジタルで管理できるため、
   宿題のチェックや通知表管理などの手間も省けるでしょう。

 ②個別指導の充実化
  →ICTを活用したデータ収集により、児童や生徒の特徴に
   合わせた教育を行うこともできます。
   例えば、苦手科目や分野の把握、宿題や定期テストの成果をはじめ、
   出席状況や児童/生徒の理解度をデータとして蓄積していきます。
   これらの蓄積されたデータを分析することで、生徒の特性がデータ化され、
   教員側も客観的に把握することが可能となり、個々人の特性に合わせた
   指導を行うことができるのです。

 ◎児童/生徒の場合

 ①児童/生徒の学習の効率化
  →教育DXでは従来の紙の教科書だけでなく、デジタル教科書を使用した
   学習も推進されています。
   デジタル教科書では、紙の教科書にはない音声/アニメーションが
   追加されるため、より効果的な学習が期待されます。
   また、2024年の教科書改訂に向けて、文部科学省はデジタル教科書の導入を
   進めており、全国の小中学校でデジタル教科書の無料配布による実証実験も
   行われています。
   
  <参考>
  ◆相模原市におけるデジタル教科書と学習データの活用に関する
   共同研究成果を発表、学習成果などのデータを蓄積・可視化

 ②いつでもどこでも、場所を選ばず学習できる
  →新型コロナのパンデミックがきっかけとなり、リモートで
   遠隔地とコミュニケーションを行う技術が進歩を遂げたことで、
   リモート授業の整備も進められました。
   専用のICT機器でオンライン学習が進められたことにより、
   感染症の蔓延による学級閉鎖はもちろん、予期せぬ病気や怪我、
   不登校といった事情を抱えた場合でも、リモートで学習することが
   可能となります。

  ただし、教育DXには以下の課題(デメリット)もあります。

<デメリット>
①ICTツールの整備の遅れと費用問題
 →ICTツール導入の際は、1人1台のPCやタブレット端末の支給をはじめ、
  クラウド環境の整備も必要になります。
  また、導入時のコストも懸念されることから、どこまで費用面を負担するのか
  不明瞭な部分もあり、本格的な導入に踏み切れないケースもあるようです。

②ICTリテラシーを習熟した人材の不足および人材育成の必要性
 →端末の導入や環境が整備されても、指導者である教員にICTの知識や
  経験がない場合、せっかくのデジタル技術を十二分に活用できないという
  課題もあります。
  教職員のICTリテラシー向上のためには、デジタル端末の販売業者が開く
  学校向けセミナーへの参加や、DX人材育成会社の力を借りるなど
  外部からのサポート体制も重要になってきます。

 

教育DXの事例

現在、文部科学省をはじめ、様々な機関で推進している教育DXの事例についてご紹介します。

 ◎GIGAスクール構想
  →GIGAスクール構想は文部科学省が推進する政策です。
   ※GIGAスクール構想については過去にSophyさんが執筆された
    記事でも紹介していますのでこちらをご覧ください。

   <参考>
   ◆GIGAスクール構想推進による、教育のデジタル化を考えてみた!

 ◎Google for Education
  →Googleが開発した幼稚園から高校まで幅広い教育機関を対象とした
   ICTツールです。ビジネス活用の印象が強いGoogleツールですが、
   教育DX推進も展開しています。
   Googleドキュメントやスプレッドシートをはじめ、Google meetといった
   コミュニケーションツールなど、Googleが持つツールやシステムを
   活用したものであり、世界の教育機関で使用されています。
   また、教育DXで大きな課題の一つでもあるセキュリティ対策についても、
   Googleが持ち合わせているセキュリティシステムが安心要素となっています。

  <参考>
  ◆Google for Education

 ◎Classi(クラッシー)
  →主に高校で活用されている学校向け教育プラットフォームです。
   生徒の目標設定や学習状況を一元で管理できることから、
   教員間での情報共有をスムーズに行うことができます。
   また、生徒への対応を記録する生徒カルテといった情報を蓄積し、
   学校の活動全般をサポートしています。

  <参考>
  ◆Classi

 ◎CBT
  →CBTはコンピュータを使った試験方式であり、採点作業の削減化に加え、
   動画や音声を使った試験の実施も可能としています。
   検定試験や認定資格だけでなく、文部科学省では学校教育の現場においても
   学力調査のCBT化を推進していることから、将来的には入学試験などでも
   CBT導入の可能性が示唆されています。
  
  <参考>
  ◆文部科学省CBTシステム(MEXCBT:メクビット)について(文部科学省より)

今回は、教育DXについてご紹介しました。

教育DXの推進で教員/児童/生徒/保護者にメリットが期待されていますが、関連人材の育成や
セキュリティ対策問題など、様々な課題もあるのが現状です。

また、教育DXは国の重要政策として今も積極的に推進されていますが、IT技術の発展は
私達が想像している以上に速いため、もし準備が整っていなければ、教育ITに強みを持つ
外部のビジネスパートナーと協力し、進めていく必要があることを感じました。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

donut

執筆者 donut

生まれも育ちも新潟県新潟市。ビッグデータを基盤としたINSIGHT LABのビジョンや新潟の活性化事業に惹かれ、入社。趣味はカフェ巡りとゲーム、水族館にも行きたいです。

 

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