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ワールドカップを支えるテクノロジーとは?IMUとVAR技術について

執筆者 donut 更新日時 2022年12月13日

こんにちは、donutです。

日本代表の試合が終わり、ワールドカップの余韻からなかなか抜け出せずにいますが、
他国同士の試合でも番狂わせの展開が続き、目が離せなくなりました笑

そこで今回は、少し趣向を変えて「サッカーとデジタルテクノロジー」について
触れていきたいと思います。

サッカーとAIの関係について

FIFAワールドカップ カタール2022大会では、AIコネクテッド技術(※)が試合のジャッジで
活用され、その技術力に注目が集まっています。

(※)IoTを駆使して様々な機械や部品をコンピューターネットワークで接続して利用する技術です。

それは、FIFA(国際サッカー連盟)が今大会で導入している「慣性計測装置(IMU)」です。
IMUはドイツの企業「キネクソン(KINEXON)社」が開発した技術であり、公式サッカーボールに
ICチップとして埋め込まれています。内蔵されたセンサーでボールの位置や状態を
常に検知し、蓄積されたデータを後ほどご紹介するビデオ判定(VAR)のオペレーションルームへ
送信する...という仕組みです。

東北大学 ロボティクスコース 教授 の田中 秀治さんのTwitterでも、IMUについて解説しています。

 

IMUに加え、カタールのスタジアムの天井には選手やボールの位置を認識するための
トラッキングカメラが12台設置されています。このカメラにも機械学習を駆使して選手の体や
動作を追跡し、公正なジャッジに役立てられています。

100km以上のシュートを繰り出すトップ選手もいる中、約90分間蹴られっぱなしの
ボールで正確なデータを計測できるキネクソン社の技術には目を見張るものがあります。
(ちなみに、日本代表の堂安律(どうあん りつ)選手がスペイン戦で決めたシュートの速度は
約120kmだそうです。さすがの強さですね...)

余談ですが、公式のサッカーボールはワイヤレス充電式になっています。
コンセントに繋がれ、来たる出番に向けてチャージ中のボール達...
シュールさと同時に可愛さを感じました笑

 

「機械の目」が勝敗を分ける?VARとは

今大会ではフィールドにいる主審・副審に加え、「ビデオアシスタントレフェリー(VAR)」という
映像を元に判断をする審判がおり、前述した技術を使いながら主審達のサポートを行っています。
なお、VARは「最良の判定」を見つけるのではなく、「明白な間違いをなくすためのシステム」
あるため、最終的なジャッジを下すのは主審になります。

VARは日本対スペイン戦で三苫薫(みとま かおる)選手と田中碧(たなか あお)選手が
2点目の逆転ゴールを決めた際に発動され、大いに注目を集めたことが記憶に新しいです。

スペイン戦の後半、ゴールライン付近で三笘選手が足を伸ばしてボールをつなぎ、田中選手がゴールへ押し込んだ流れでVARが発動しました。その結果、ボールはゴールラインを超えておらず、ミリ単位で残っていたことが判定され、日本の得点を正式に認める主審のホイッスルがスタジアムに響いた瞬間、日本のサポーター達は歓喜に沸きました。
(この様子はABEMA公式Youtubeチャンネルでも一連の流れを公開中です)


そんなVARは、日本のソニーグループ傘下でもあるイギリスのIT企業の
「ホークアイ・イノベーションズ社」が開発しました。複数台の高性能カメラを駆使して
「機械の目」でボールの軌道を様々な角度からミリ単位まで解析し、主審や副審の目だけでは
判断が難しい試合展開が発生した際に発動し、役立っています。
なお、VARはサッカーだけでなく、ラグビーやテニス等の競技でも採用されています。


<参考>(Jリーグ公式でもVARについて解説しています)
VAR(ビデオアシスタントレフェリー)とは?サッカーのルールを分かりやすく解説

キネクソン社のIMUと、ソニー+ホークアイ社のVAR、そして双方に搭載された独自の
AIソフトウェアが組み合わさることで、試合においてより正確な判定を行うことができるのです。
スペイン戦でVARが発動されていなければ試合の流れも大きく変わっていたかもしれません。

今回はワールドカップに便乗し、サッカーとデジタルテクノロジーについてご紹介しました。
既にサッカー好きな方はもちろん、ワールドカップをきっかけにサッカーの試合を見始めたことで、スポーツが様々なテクノロジーによって支えられていることを知ることができ、改めて技術力の高さに驚くばかりでした。

ベスト4が揃い、決勝戦へ向けて更なる盛り上がりを見せるワールドカップですが、今後の試合でも
IMUやVARを駆使したジャッジの迅速化はもちろん、デジタル技術による選手達の
パフォーマンス向上やサッカーを観戦する人々へのコンテンツ提供に役立ちそうですね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

donut

執筆者 donut

生まれも育ちも新潟県新潟市。ビッグデータを基盤としたINSIGHT LABのビジョンや新潟の活性化事業に惹かれ、入社。趣味はカフェ巡りとゲーム、水族館にも行きたいです。

 

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