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スタートアップ大国イスラエルで会社を創った話し-1

執筆者 ISAO 更新日時 2020年8月08日

 こんにちは。ISAOです。昨年の2019年3月にイスラエルに会社を創りました。2018年5月に大学院の友人とイスラエルに訪問し、刺激を受け2018年10月に現地に支社を設立、2019年3月に会社を創りました。イスラエルではR&D拠点として設置。グローバルベンチャーのデータ分析ツールSisense社と提携。その他スタートアップと連携中。
 ただ、その前に新潟でも東京でも「なぜイスラエル?」と聞かれることが多いので、知る人ぞ知るスタートアップ大国イスラエルについて、まずは一般的な観点から簡単に紹介したいと思います。

 みなさんは「イスラエル」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
名前は聞いたことがある、死海がある、戦争をしている、SABONが好き...など、思い浮かべることは様々かと思います。百聞は一見にしかずとはこのこと。

 実はIT業界では「中東のシリコンバレー」とうたわれ、数年前から世界的に注目を浴びているスタートアップ国家イスラエル、近年では日本でも耳にするようになりました。日本の大手企業もイスラエルの企業を買収したり、イスラエルに拠点を創っています。街も驚くくらい発展しています。

弊社が入っているオフィスはここ。え?!こんなキレイなの?!
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例えば、次のような企業がイスラエルに拠点を設けています。
 ・Amazon
 ・Google
 ・Yahoo!
 ・Microsoft
 ・Facebookなど
他にも数多のビッグネームが拠点を設けています!

また、日本に進出したイスラエル発の企業もあります。
 ・Wix
 ・SABON
 ・Laline
 ・SodaStreamなどなど 
あげればキリがない。特に死海の資源を使用した美容製品、水の再利用量や技術で世界一のイスラエルらしいラインナップ!

 なぜイスラエルがスタートアップ国家と言われるようになったのか、世界を惹きつけるイスラエルの魅力とは一体何なのか。知っているような知らないような、勢い溢れるイスラエルの情報を、さわりだけまとめたいと思います。詳細はいつまでも書き続けてしまいそうなので、本当に概要だけです。

【小さな大国、イスラエルのここが凄い!】

 イスラエルの国土は四国と同じくらいで、人口は約900万人で大阪府と同じくらいです。とても小さい国ですが、イスラエルは多岐に渡る分野で世界トップクラスの大国なのです。イスラエルがトップクラスにランクインしている世界ランキングはこのようなものがあります。


・投資額/GDP
・ベンチャーキャピタル投資額
・国民一人当たりの起業率
・教育費
・博士号保有者数
・研究開発費(対GDP)
・特許数
・ノーベル賞(自然科学分野)受賞者数
・ナスダック上場企業率

 投資、起業、イノベーション、教育、ブランディング…とても理想的なサイクルが出来上がっているように感じられます。 男性も女性も高校卒業後に軍に入隊します。軍といっても防衛軍です。日本と同じように防衛軍として活動しています。基本は男性は3年、女性は2年。ここで歴史、愛国心やリーダーシップや組織論、また高度なIT技術を駆使し国を守るメンバーもいます。

 コンピュータの脳であるIntelのCPUの画期的モデルやカプセル型内視鏡、ハイテク産業などの私たちにとっても身近なモノもイスラエルの地で誕生しました。投資、起業、教育そして優秀な人材が揃っていて未だ力を伸ばし続けるイスラエルはシリコンバレーや深センとは違い、小規模のエコシステムとしてグローバル企業にとって魅力的な環境となっています。

 

苦難の歴史から民族独立を成し遂げた国

 遡ること2世紀頃、イスラエル北部のゴラン高原(シリア高原)にユダヤ人が定住したところから歴史が始まります。オスマン帝国などに占拠されながらも、エルサレムを奪還/守るために戦い続け、虐殺されながらも移民を受け入れて文化を確立し、ユダヤ人国家を作るべく1948年にイスラエル国として独立しました。

 だた、ユダヤ人とアラブ人の独立以前からの確執や中東の領土問題などは収まることなく、絶えず戦争や紛争が起きています。建国当初の人口は約60万人、ここから国の存続と繁栄のための戦いが始まります。

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逆境から成功の道を切り開いた国

 イスラエルは絶えず戦争状態にある国です。また降水量が少なく国土の大半は砂漠で、環境資源に乏しい国です。しかし、軍事品を改良・販売、IT技術を駆使した軍事力・防衛力の向上、軍事技術の転用(農耕、サイバーセキュリティなど)、死海の成分を美容に利用するといった少ない資源を最大限に活用、資源の再利用(排水の濾過)など、過酷な環境から持てるものを駆使してスタートアップ国家と呼ばれるまで発展を遂げました。空気から水を生み出す技術や、少ない水で美味しく健康的な農作物を作り出すアグリテックなど、日本に取り込むことができる技術は多くあります。

 イスラエルでは、手持ちの少ないカードで生き抜くためにはどうすれば良いか、国が一丸となって取り組むハングリー精神は今の日本では味わえないかと思います。しかし、日本には日本の良さがあり、その対極の良さを持つイスラエル。この2国の交流がより活発になればまた新しいイノベーションが巻き起こるのではないでしょうか。

 

失敗を評価する国

 イスラエルでは、日本と正反対の文化がある。失敗を評価する文化。失敗なければ成功がない、失敗は成功の元、と言われるがそれを評価する。fail Tech(失敗の技術)というイベントがあるほど。失敗を評価する文化。 そしてそれを基盤にしてスタートアップが生まれていく。
 (1)失敗を恐れない
 (2)フツパー(日本語では図々しさかな?年上だろうが役職関係なく遠慮しない国民性)
 (3)とにかくスピード

 そう、何事もやってみないとわからない。とにかくトライアンドエラーを繰り返す。短いスパンで。周りは敵国。だからこそ今の状態がいつ変わるかわからない。1時間の打ち合わせでコミットするくらいのスピード。日本的な表敬訪問は現地では嫌われます。意思決定者がない人は、発言しない人はいる意味がない。フツパー(Chutzpah)も特徴的な言葉です。役職、年齢関係なく、同じ人間として会話する。議論する。ある意味人として尊敬し合っている、認め合っている証拠なのでしょう。「若者のくせに!」とか「何も知らない人が何言ってんだ!」みたいのはない。
 あとは、やっぱりみんな建設的だなー。自分が思うことを言い、他人の意見を否定したりすることが少ない。「それって」「でも」がほぼないかな。「私はこう思う」「そうか、それはいいことだ、私はこれをやろうと思っている!」それぞれが主張し合い発展していく文化。悪くいうとカオスなんだけど。
 だからこそ、自分がやりたいことを主張し、思い立ったら即行動。行動して成果が出ればいい、失敗したらそれを教訓にまた行動すればいい。それが起業家を多く生み出す秘訣。イスラエルの特徴か。

・・・ちょっと、取り留めなく広がってしまったけど。イスラエル話しはネタが多すぎて尽きない。

 INSIGHT LAB もそういった未だ見ぬワクワクを創り出すため。そのマインドを日本でも、新潟でも行動しまくりたいと思っています。

では、そのイスラエルにて、当社は具体的に何をしているか?これは次回紹介したいと思います!
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ISAO

執筆者 ISAO

Founder and CEO。1977年生まれ、中学時代よりプログラミングを学び、27歳にINSIGHT LAB株式会社を創業。新潟県村上市。イスラエルでも起業、キッズプログラミングスクール沖縄 創立 延べ人数1万人、障がい者向け就労支援施設 創設、大学講師、AutoMLスタートアップ顧問、世界20ヵ国を訪問。好きな食べ物はお米と納豆、枝豆。趣味はIRONMAN(トライアスロン)。著書「コンピュータにかわいいを学習させたら何が起きたか」ダイヤモンド社出版。 現在、新潟県の活性化に全速力!!

 

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