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【DX推進】日本の中小企業におけるDXの現状と課題

執筆者 rice 更新日時 2025年10月28日

Topics: DX

 

こんにちは、riceです。

生成AIやRPAで自動化、といったデジタル技術が急速に進化する中、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)は避けて通れないと言っても過言ではないテーマになっています。
しかし実際には、特に中小企業において「人材不足」や「コスト」といった壁があり、思うように進まないという話もよく耳にします。

そこで今回は中小企業におけるDXの現状と課題、そして解決方法について調査しました。


中小企業のDX現状

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構の調査によると、従業員1,001人以上の企業では96%以上がDX推進を進める一方、100人以下の中小企業では46.8%にとどまっています。中小企業におけるDX推進は依然として大きな課題です。


従業員規模別DX取組状況

画像出典:IPA DX動向2025

 

 

デジタル化・DXの取組状況

デジタル化・DXの取組状況は、デジタルツールを活用した部分的なものが大きく、デジタルトランスフォーメーションとされる「ビジネスモデルの変革」や「競争力強化」といったところまで進んでいる企業は少ないことが見て取れます。


デジタル化の取組段階

画像出典:中小企業庁 2025年版「中小企業白書」

 

DXに期待する成果・効果

「DXに期待する成果・効果」について、4割近い回答となった上位2つが「コスト削減、生産性の向上」「業務の自動化、効率化」とされています。

期待する効果画像出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中小企業のDX推進に関する調査(2024年)

 

DXへの手段として、コスト削減や業務効率化といった部分的な取り組みから開始するスモールスタートは推奨されています。こちらは良い第一歩ですが、DXの目的は、デジタル技術を活用して新たな価値を創出し、企業文化そのものの変革に取り組むことです。
デジタル化の取り組みを通じて成果を積み重ね、その先のDXへと発展させていく企業がさらに増えていけばと感じます。



DXが進まない主な課題

日本の中小企業でDXが進まない原因や課題は多岐にわたりますが、主な課題は以下が挙げられます。

  • 人材不足

- DX推進をリードするデジタル人材や、ITシステムを運用・活用できる人材がいない

- デジタル人材の採用が困難、また、既存社員の育成には時間とコストがかかり大きな負担となる


  • 資金・リソース

- 新しいデジタル技術やシステム導入といった初期投資へのハードルが高い

- DXの効果や成果がすぐに見えにくいことから、投資に対するリターンが不透明

 

  • 意識・戦略

- 経営者層がDXの重要性を十分に理解していない

- 「何のためにDXを行うのか」という経営戦略や具体的な計画が策定されていない



課題解決へ向けて

前述した課題と対応する形で解決方法の一例を見ていきたいと思います。

人材不足の課題への解決方法

  • 内部人材の育成・スキル向上
    経営者を含めた役員や社員のデジタルリテラシー向上のため、リスキリングなどの仕組みを持つ

  • 外部リソースの活用
    外部の支援機関(ITベンダーやITコーディネーター等)を適切に活用し、必要な人材を確保しつつ、得られたノウハウやスキルを社内に蓄積する

 

こうして、内部での育成や外部リソースの積極的な活用を進めるとともに、人材が定着する仕組みの構築も必要となります。

 

資金・リソースへの課題解決方法

  • 収益向上へのシフト
    業務効率化・省力化に多く向けられているデジタル技術を、新たな収益につながる既存ビジネスへの付加価値向上や新規デジタルビジネス創出に振り向ける

 

  • 外部支援・補助金の活用
    中小企業向けの支援として、IT導入補助金(業務効率化やDX推進に向けたITツールの導入支援)や、ものづくり補助金(革新的な製品・サービス開発に必要な設備投資支援)などの活用
    (補助金制度は年度ごとに内容が変更することも考えられるので、確認が必要です)


DXへの投資をコストではなく、価値創造のための投資として捉えることが大切です。

 

意識・戦略への課題解決方法

  • DXの目的の明確化
    「何のためにDXを行うのか」という経営ビジョンと、それによって顧客や社会にどのような新たな価値を提供するのかという目的を明確にする

  • 強いリーダーシップ
    経営層がDXの必要性を理解し、ビジョンを全社員に共有することで組織全体の意識改革を促し、変革をリードする

 

経営変革そのものとしてDXを位置づけ、ビジョンや戦略だけでなく、社員全員が新しい仕事のやり方や働き方に順応できるように"行動指針"を示すことが経営層に求められます。

 

参考資料:経済産業省 DXレポート2.2

参考資料:経済産業省 デジタルガバナンス・コード3.0

参考資料:経済産業省 中堅・中小企業等向けDX推進の手引き2025


 

おわりに

DXは、デジタル化やシステム導入によって業務効率化を実現して終わりではなく、継続的にデジタルを活用し、企業の価値を高めていく取り組みです。

まずは"身近な業務のデジタル化"からでも十分ですが、「自社にとってのDXの目的」を明確にしたうえで進んでいくことが重要です。

環境変化が激しい現代、自社の強みや課題を踏まえた戦略的な取り組みが必要ですね。

rice

執筆者 rice

新潟県新潟市生まれ、蕎麦屋の娘として生まれ育ち、和菓子屋、不動産屋を経験し、INSIGHT LABの新潟ビジョンに共感し、2021年に入社。慣れないIT企業で四苦八苦。2児の母。

 

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