こんにちは、donutです。
今月はデジタル月間ということで、弊社ブログでは
「ふれよう!#デジタルのチカラ」に即した情報を発信しています。
今回は「デジタルミュージアム」について紹介したいと思います。
デジタルミュージアムとは?
デジタルミュージアムは、ひと言でいえば
「資料をデジタル技術で保存(アーカイブ)するミュージアム」です。
(デジタルアーカイブやオンライン博物館とも呼ばれています)
絵画や彫刻といった芸術作品や、歴史・民族などの多様な資料を
デジタルデータに変換して保管し、ネットワーク上で閲覧できる美術館や博物館のことです。
コロナ禍によって各業界でオンラインコンテンツの導入が促進されるようになり、
博物館や美術館もオンライン上で楽しむことができるようになりました。
また、災害や経年劣化による文化財消失のリスクによって失われつつある
文化芸術をデジタル化によって伝承する取り組みとして活用されています。
文化を守るだけでなく、新たな魅力を発信し伝えることで、
地域活性化や経済循環にもつなげることができます。
そして、デジタルミュージアムにはこんなメリットもあります。
◎人件費などのコスト削減
→全ての展示をオンライン上で行えるため、
人件費や電気代などのコスト削減が可能です。
また、入退館手続きもユーザーが各自で行うことができるため、
スムーズに効率的な鑑賞を実現することができます。
◎展示を永久的に保存できる
→アーカイブとして半永久的に展示空間の保存が可能です。
また、展示期間終了後もコンテンツの活用ができることも魅力の1つです。
時間とコストをかけて制作した空間を残しておき、
いつでもアクセスができることはユーザーや博物館にとっては
もちろん、作品を制作したアーティストにとっても嬉しい要素です。
◎24時間365日閲覧可能なため、遠方の人にも作品を届けられる。
→オンラインであれば距離の制約がなくなるため、
国を越えて作品や資料を閲覧することができます。
コロナ禍などで遠方へ足を運ぶ時間が取れない方や、
年齢などを理由に展示を見に行くことができないという方にも
展示を見られる機会を作ることが可能となります。
◎リアルの博物館や美術館の価値も向上する
→デジタルミュージアムを導入することで
「リアルの博物館や美術館を訪れる人が減ってしまうのではないか?」
という不安を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、デジタルミュージアムで展示の魅力を発見したユーザーは、
「リアルでもこの作品を見てみたい!」と思うようになります。
そのため、結果的にリアルの博物館や美術館の価値を向上させ、
新たな集客につなげることが期待されています。
オンラインで公開することでリアルの空間の価値も高まり、
双方に良い影響を与えられることはとても良いことですね。
ちなみに、東京国立博物館や、東京江戸博物館など有名博物館ではオンライン博物館を導入しています。
以下のサイトでは様々な施設を対象にオンライン展示がまとめられていますので
参考にしてみてはいかがでしょうか。
<参考>
◆無料観賞できる日本各地の博物館、美術館オンラインビューイング
デジタルミュージアム in 新潟
新潟県にもデジタルミュージアムがあることはご存知でしょうか?
それは、新潟を代表する小説家である坂口安吾のデジタルミュージアムです。
◆坂口安吾デジタルミュージアム
新潟で生まれた安吾を広く知ってもらうために創設された
このミュージアムでは、安吾の詳細な年譜やおすすめ作品などが閲覧可能です。
坂口安吾は戦後の日本文学を語るうえで欠かすことのできない作家であり、
日本文学の革命児「無頼派」の旗手でもありました。
また、文学だけでなく、日本思想や日本文化の分野においても重要な作家として知られています。
彼が生み出した作品は多岐にわたり、評論集やミステリーをメインに
鋭い洞察力と反骨精神によって、読みごたえのある作品を多く執筆しました。
そんな安吾の代表作は以下になります。
◎墜落論(評論集)
第二次世界大戦における敗戦国日本の姿を冷静に書き出し、
「戦後の日本人はどのように生きたらよいのか?」を示唆した作品です。
文中に出てくる「生きよ堕ちよ」は安吾の作品を語る上で欠かせない
名言の一つでもあります。◎白痴(はくち)
前述した「堕落論」での主張を元に安吾が執筆した短編作品です。
舞台は敗戦間近の日本、映画演出家の青年、井沢が隣家に住む
白痴の女と空襲から逃げのびながらやがて奇妙な関係を持つ物語です。
激しい空襲に襲われ、逃げ惑う井沢達。死と隣り合わせの生活の中で
白痴の女の無垢な世界の対比が生のリアルさを感じさせてくれます。
また、ミュージアムの立ち上げに際し、ご子息である坂口綱男館長のインタビュー記事も公開されています。
◆「安吾 風の館」坂口綱男館長インタビュー
さらに、新潟市潟環境研究所でも「里潟」に関するデジタル博物館も公開中です。
◆新潟市「潟」のデジタル博物館
新潟市内に点在する湖沼「潟」に関わる資料や情報がまとめられています。
新潟市内を中心とした越後平野の「潟」の自然・歴史・民俗等の
資料を広く公開し、潟への理解や関心を深めてもらうことを目的としています。
ウィズコロナ時代において、文化や芸術の新たな表現手段として注目されるデジタルミュージアム。
ここでもデジタルの力によって支えられ、伝統が守られていることを感じることができました。
現在もオンライン上から気軽に見学できるため、有効に活用していきたいところですね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。