ごきげんよう、Sophy(ソフィ)です。
「ChatGPTを使い始めたけど、会社としての『DX』にはつながっている気がしない」——そう感じている経営者の方は多いのではないでしょうか。
実はこの感覚、データでも裏付けられています。
IPA(情報処理推進機構)が2026年に公表した「DX動向2026」は、全国1,799社を対象にした調査で、AI活用とDXの「進み方のズレ」を明らかにしました。この記事では、調査結果をもとに、中小企業がAI導入を本当の経営成果につなげるために押さえておきたいポイントをご紹介します。
DXは横ばい、会社の規模で明暗が分かれる
IPAの調査によると、何らかの形でDXに取り組んでいる企業は全体の75.7%にのぼります。一見、多くの企業が前向きに動いているように見えますが、内訳を見ると景色が変わります。
従業員1,001人以上の大企業では98.7%がDXに取り組んでいるのに対し、100人以下の企業では41.6%にとどまっているのです。会社の規模によって、取り組みの差がはっきりと分かれ、二極化が進んでいることがわかります。
しかも、この傾向はここ数年、大きく変わっておらず、「DXに取り組んでいる」企業のうち、実際に成果が出ていると答えたのは60.8%でした。ただし、その中身を見ると、最も多かったのは「コスト削減」(70.9%)で、「売上高増加」はわずか17.9%、「利益増加」も19.6%にとどまります。
つまり多くの企業のDXは、無駄を減らす「守り」の効果にとどまり、稼ぐ力を伸ばす「攻め」の成果までは届いていないのが実情です。
AIの利用は拡大しても「個人利用」止まり
一方で、AI活用は急速に広がっています。
生成AI(文章や画像を自動でつくり出すAI)を導入している企業は、2024年度の22.6%から2025年度には44.0%へと、わずか1年でほぼ倍増しました。試験利用も含めると、全体で58.0%の企業がすでに使い始めています。
ただし、使い方の中身に注目すると課題が見えてきます。
「個人が業務の中で自己判断で使っている」という回答が63.3%を占める一方、「全社的なサービスに組み込まれている」のはわずか18.6%です。用途も、「文書・音声の要約や翻訳・校正」(82.5%)、「文書・レポート作成」(80.5%)、「情報検索・分析」(77.0%)など、個人の作業を早くする使い方が上位を占めます。
対して、「製品・サービスの高度化」(10.9%)や「生産・物流計画の支援」(6.0%)といった、事業そのものの価値を高める使い方はまだ少数派です。AIは急速に「みんなが使う道具」にはなりましたが、「会社の武器」にはまだなり切れていない、というのが現状のようです。
成果を出している会社は何が違うのか
同じようにAIやDXに取り組んでいても、成果に差が出るのはなぜでしょうか。調査では、成果が出ている企業に共通する特徴として、次の3点が挙げられています。
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経営者自身がデジタル技術への理解を持っていること
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経営者・IT部門・現場の業務部門が協力し合っていること
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部署ごとではなく全社レベルで業務プロセスの見直しに取り組んでいること
実際、成果が出ている企業では「全社最適化(※)に取り組んでいる」割合が53.8%だったのに対し、成果が出ていない企業は29.5%でした。
もう一つ見逃せないのが「成果指標」の存在です。DXの成果指標を設定している企業は、全体のわずか23.9%しかありません。目標を数字で決めておくことで、うまくいっているかどうかも判断しやすくなるでしょう。まずは自社なりの「測れる目標」を一つ定めることが、次の一歩につながります。
(※) 全社最適化:部署ごとではなく会社全体で業務の流れを見直すこと
見落とされがちな「人材」と「ルール」の壁
AI・DX推進の課題として企業が最も多く挙げたのは「専門人材の不足」(50.1%)でした。
次いで「効果やリスクの理解不足」(45.8%)、「社内ルール(ガバナンス)整備の難しさ」(39.7%)が続きます。特にルール整備については、「AI利用に関する社内ガイドラインを全社で定めている」企業はわずか32.5%、「AI特有のリスクへの対応をしている」企業は14.2%にとどまります。
人材不足と聞くと「採用しなければ」と身構えがちですが、まずは「誰にどんなスキルが必要か」を社内で言語化するだけでも、優先順位が見えてきます。
ルールも同様に、完璧なものでなくともよいので「使ってもよい範囲」を最初に決めておくことが、安心してAIを活用する土台になります。
まとめ
IPA「DX動向2026」から見えてきたポイントは次の通りです。
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DXに取り組む企業は75.7%だが、企業規模による二極化が進んでいる
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DXの成果は「コスト削減」が中心で、売上・利益への貢献はまだ少ない
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AI導入は44%へ急拡大しているが、多くは個人利用
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成果を出す企業は「経営者の理解」「全社最適化」「成果指標」を備えている
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人材の育成とルールづくりが、AI・DXの推進を左右する
AIを「使ってみる」から「成果につなげる」段階へ進めるかどうかは、多くの中小企業にとっての分かれ道です。まずは自社のAI活用状況を棚卸しし、「何のために使うのか」を1つ決めるところから始めてみましょう。
出典:IPA「DX動向2026」
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