こんにちは、riceです。
今回は「AIリテラシー」について。
ChatGPTをはじめとする生成AIが急速に普及し、仕事や生活に浸透し始めてきています。文章の要約・メール文案の作成・資料のたたき台作成など、AIを活用することで作業効率の向上を実感されている方も多いのではないでしょうか。
しかし一方で、「機密情報の外部流出」「著作権侵害」などのようなトラブルにつながるリスクもあります。
こうした時代に求められるのが、AIを理解して安全かつ効果的に活用する力「AIリテラシー」です。
AIリテラシーとは
AIリテラシーとは単にAIを「使える」だけではなく、AIの特性を理解し、それを適切に活用・評価・判断する能力のことで、大きく3つの要素で構成されます。
1、AIの基礎知識
AIリテラシーの第一歩として、AI(人工知能)・機械学習・ディープラーニングといった基礎概念、 AIの基本的な仕組みを理解することです。さらに、AIが完璧なものではなく、学習データに起因する偏り(バイアス)や、事実に基づかない情報を生成する現象(ハルシネーション)といった限界があることの認識が重要です。
2、活用して評価する力
二つ目は、AIを能動的に活用するスキルです。質の高い出力を得るためのプロンプト(指示)や、出力結果を鵜呑みにするのではなく、その信頼性を自ら確認する「批判的思考」と「ファクトチェック」の能力が不可欠です。
3、リスク認識力
AIを活用するうえで欠かせない、便利さの裏に潜むリスクを認識する力です。
生成されたものが著作権侵害になる可能性がある「著作権リスク」、入力データが外部に保存・学習されるといった「情報セキュリティリスク」、学習データの偏りがそのまま結果として反映され、不公平や差別を助長する可能性がある「バイアス(偏り)」リスク。こういったリスクがあると認識し、責任を持ってAIを利用することが重要となります。
なぜAIリテラシーが必要?
ここまでの内容から、AIを理解して安全かつ効果的に活用するためにリテラシーが必要だと理解できますが、さらに以下が挙げられます。
- ハルシネーションやバイアスへの対応のため
2つの用語について先に確認しておきましょう。
ハルシネーション:事実に基づかない情報を出力してしまうこと
バイアス:AIが学習したデータに偏りがあることによって、不公平な、または偏った出力を生成してしまう現象
これらを鵜呑みにしてしまうと、業務上の判断ミスや信用を失うことになりかねません。
リテラシーがあれば、答えをそのまま信用せず、検証する姿勢を持てます。
- 活用できる人、できない人との格差
生成AIは業務効率化において幅広く活用することができます。リテラシーを持ち、AIを使いこなせる人とそうでない人との間では、業務スピードや成果に大きな差が生まれる恐れがあります。業務で活用するためにはリテラシーを持ち合わせる必要があります。
- セキュリティやコンプライアンスを守るため
AIに入力した内容は外部サーバーに送信されるケースが多く、情報漏洩リスクがあります。リテラシーがないことで、個人情報や機密情報をうっかり入力してしまい、重大な事故につながる可能性があります。
AIリテラシーを身につけるには
リテラシーの必要性を理解したところで、身につけるには具体的にどのようなアプローチをしていけば良いでしょうか。
- 基礎知識を学ぶ
AIの基本知識や仕組みを理解するには、専門書籍やオンライン講座などを活用することが有効です。また、日本ディープラーニング協会のG検定のような資格取得を目標にすることも、知識の定着に役立ちます 。
- 実践と反復
実際にAIを日々の業務で試してみましょう。
プロンプト(指示)を投げかけ、どのような回答が得られるかを試します。期待通りの結果が得られるまで工夫することで、その後の応用力や効率化につながります。
- 継続的な学びと情報のアップデート
AI技術は日々進歩しています。一度学んだら終わりではなく、最新情報や研究動向をチェックしていくことが必要です。
おわりに
AIはこれからの社会や働き方を大きく変えていくと言えます。そのなかで必要となるのは、正しく理解し、安全かつ効果的に活用する力です。
AIリテラシーは専門家だけではなく、すべてのビジネスパーソンに必要な基礎力だと感じました。理解を深めながら、AIと共に成長していきましょう!