こんにちは、donutです。
久しぶりのブログ投稿になりました。
今回は、IT資格試験界隈で話題となっているIPAの新試験制度について調べていきたいと思います。
IPA情報処理技術者試験、2027年度から改編へ
2026年3月31日に、IPA(情報処理推進機構)より新たな試験区分体制情報が公開されました。
これに伴い、2027年度から開始予定の新試験制度における各試験区分のシラバス案が掲載されています。
<参考(いずれもIPAより)>
◆情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について
一言で言うと「IPAが主催している情報処理技術者試験の区分体系を2027年度から全て見直します!」
という発表です。過去に応用情報技術者試験や高度試験を受験した人からすると、
「今の試験区分がなくなって受験できなくなるのでは?」と気になるニュースだと思います。
ここからは、IPAからの発表内容を自分なりに整理しつつ、「今後受験を予定している人は何を備えれば良いのか?」という視点でまとめてみます。
なぜ今、試験制度を変えるのか?
背景にあるのは、生成AIの急速な普及とDX推進です。経済産業省とIPAは、2025年5月に
「Society 5.0時代のデジタル人材育成」に関する報告書をまとめ、そこで打ち出された
「スキルベースの人材育成」という方針を、試験制度にも反映させる形で今回の見直しが進められています。
今回の再編は、出題範囲の調整ではなく、「AI時代に求められるスキルセットの再定義」という
話題が主になると捉えたほうがよさそうです。
主な変更点は以下となっています。
① ITパスポート試験の"次"に位置する新試験ができる
「データマネジメント試験(仮称)」という新区分が新設されます。
主な特徴は、対象者がITエンジニアだけでなく、ビジネス部門の人材も想定しているという点です。AI活用の土台となる「データの整備・管理」スキルを評価する試験として、ITパスポートのステップアップ先という位置づけになるようです。
これまで「ITパスポートに合格した!次は基本情報技術者試験だ!」という
一本道だったキャリアパスに、データ活用側への分岐ができるイメージです。
② ITパスポート試験自体の出題構成も変わる
現行の「ストラテジ系/マネジメント系/テクノロジ系」という3本柱が、
「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」という枠組みに再編されます。
DX推進に必要な考え方や、データマネジメントの基礎知識が加わるほか、
AI活用を想定したセキュリティや倫理分野も強化される見込みです。
「情報処理技術者試験への登竜門」でもあるITパスポートの中身が変わるということは、これから学習を始める人にとって、各種教材のアップデートも含めて影響が大きい変更と言えそうです。
③ 応用情報/高度試験が「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」に統合/再編
現在の応用情報技術者試験と、その先にある高度試験(ITストラテジスト/システムアーキテクト/プロジェクトマネージャーなど)が大きな枠組みとして統合され、
以下の3区分に再編されます。
(1)マネジメント領域
(2)データ・AI領域
(3)システム領域
現行の高度試験は専門分野ごとで分かれていましたが、それを一つに包括した上で
再構成を行う形となります。
「自分はどの高度試験を受験するべきなのか?」という状況が整理されそうな一方で、これまでの資格の名称に馴染みがある人からすると戸惑う部分があるかもしれません。
今後の試験スケジュールはどうなる?
2026年8月時点で公開されている情報を整理すると、以下のような流れになりそうです。
◎2027年度春頃
・ITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験が
新制度に移行予定◎2027年度夏〜秋頃
データマネジメント試験、プロフェッショナルデジタルスキル試験(各区分)、
情報処理安全確保支援士試験が新制度に移行予定
なお、ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報の3試験は、これまで通り通年実施が予定されていますが、新設のデータマネジメント試験やプロフェッショナルデジタルスキル試験、
情報処理安全確保支援士試験については、実施回数や時期の詳細は検討中とのことです。
シラバス案は順次公開中
2026年6月30日以降、各試験区分のシラバス案(学習範囲をまとめた資料)がIPAで公開中です。
2026年8月末時点では、ITパスポート、データマネジメント試験、情報処理安全確保支援士試験、プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント/システム)試験のシラバス案が公開済みで、
残りの区分も2026年夏頃を目途に順次公開予定とありました。
公開中のシラバス案へざっと目を通すと、名称変更だけでなく、出題内容自体が刷新されていることが読み取れました。AIに関する内容をはじめ、専門知識の項目が追加された試験も行われており、
内容がまだ流動的であることが伺えます。
結局、受験を考えている人は何をすべきか?
「現時点ではあくまで『案』であり、内容は今後変更される可能性がある」とIPAが明言しています。
そのため、今から慌てて対策を変える必要はありませんが、以下を意識しておくとよさそうです。
①2026年度中に基本情報/応用情報/高度試験の受験を検討している人
2027年度に新制度へ移行予定のため、現行のシラバスや過去問がそのまま通用するのは実質あと数回と考えて良いでしょう。そのため、今の実力で合格ラインに近い場合、現行制度のうちに受験し、合格を目指すという方法もあります。
②これから学習を始める予定の人
新制度のシラバス案が確定し、対応教材が刊行されるまでは焦らず基礎を固めていきましょう。
③企業でIT人材育成にIPA試験を活用している人
新設のデータマネジメント試験は、非エンジニア層への展開も見据えて設計されているため、育成計画の見直しの好機になりそうです。
今回の試験制度の見直しは、単なる試験区分の名称変更ではなく、「急速に発達するAI・DX時代に必要なスキルをどうやって定義し直すのか?」という、より大きな問いに対するIPAなりの回答であると感じました。
特に、非エンジニアも対象にした「データマネジメント試験」の新設は、情報処理技術者試験が
これまで以上に幅広い層へ展開されるための足掛かりになるのではと考えています。
今後受験を予定されている方は、新シラバスの内容も踏まえ、各種試験合格に向けてのプランを考えてみてはいかがでしょうか。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

