こんにちは、riceです。
最近生成AIのサービスを見ていると、これまでのサブスクリプション型(月額定額)の料金モデルから、実際に使った分だけ支払う「従量課金型」へと見直す動きが目立つようになってきました。
2026年6月、開発支援AIのGitHub Copilotは、「ちょっとした質問も数時間かかる自動コーディングも同じ料金」という定額モデルの限界を理由に、利用したトークン量に応じてクレジットを消費する従量課金制へと移行しました。
参考:GitHub Blog「GitHub Copilot is moving to usage-based billing」
AIエージェントのように、利用量が読みにくい使い方が広がるにつれて「使った分だけ払う」課金モデルへの移行が各社で進みつつあります。従量課金では、まさに「トークンをどれだけ使ったか」が料金に直結するため、これまで以上に一回ごとのやり取りを効率よく行うことの重要性が増してきているように感じます。
今回は「AIのトークン消費を抑える」というテーマで、そもそもトークンとは何か、なぜ抑える必要があるのか、そして具体的にどのような工夫ができるのかを整理してみたいと思います。
そもそも「トークン」とは何か
トークンとは、AIが文章を理解したり生成したりする際に扱う、文字より少し大きい処理の最小単位のことです。
例えば「私は生成AIが好きです」という文章は、そのまま1文字ずつ処理されるわけではなく、「私は」「生成」「AI」「が」「好き」「です」のような単位に分割され、それぞれが数値(ID)に変換された上でAIに渡されます。
ここで押さえておきたいのが、日本語と英語ではトークンの数え方に差があるという点です。目安として、英語はおよそ4文字で1トークンになると言われています(OpenAI公式ヘルプセンターより)。一方、日本語は文字の種類(ひらがな・カタカナ・漢字など)やAIモデルのトークナイザーの設計によって数え方が大きく変わり、英語に比べて同じ内容でも1.1倍〜3倍程度多くのトークンを消費するケースが報告されています。共通の換算式があるわけではなく、あくまで目安として捉えるとよさそうです。
生成AIの多くは、この「トークン数」に応じて料金が決まる仕組みを採用しています。入力した文章(プロンプト)だけでなく、AIが出力した文章もトークンとしてカウントされるため、やり取りが長引くほど、また会話の履歴を毎回読み込ませるほど、消費量は積み上がっていきます。
なぜトークン消費を抑える必要があるのか
先述の通り、使った分だけ支払う従量課金型への移行が進んでいることもあり、トークン消費はそのままコストに直結します。これが、トークン消費を抑える必要がある大きな理由のひとつです。では、それ以外にはどのような理由があるのでしょうか。
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応答速度に影響するから
AIに読み込ませる情報量(入力トークン)が多いほど、AIが処理に時間をかける必要があり、回答が返ってくるまでの待ち時間が長くなる傾向があります。逆に無駄な情報を減らせば、それだけ応答も速くなりやすくなります。
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環境負荷にも関係するから
あまり意識されない観点かもしれませんが、AIの処理には多くの電力や水(データセンターの冷却用)が使われています。国連大学水・環境・保健研究所(UNU-INWEH)が2026年6月に公表した報告書では、AIの推論(実際にユーザーの質問に答える処理)だけで、AI全体のエネルギー消費の8〜9割を占めると指摘されています。世界的にAIの利用が広がるほど、1回あたりのやり取りを効率化することの意味も大きくなっていきそうです。
このように、トークン消費を抑えることは単なる節約術ではなく、コスト・速度・環境という複数の観点から意味のある取り組みだといえそうです。
具体的な削減の工夫
ここからは、実際にどのような工夫でトークン消費を抑えられるのか見ていきます。
普段のチャット利用でできる工夫
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毎回長い前提条件を貼り付けるのではなく、要点だけを簡潔に伝える
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「詳しく教えて」だけでなく、必要に応じて「簡潔に」「箇条書きで」など、出力量の目安を指定する
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関係のない資料や過去のやり取りをまとめて読み込ませるのではなく、そのタスクに必要な範囲に絞って渡す
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同じ内容を何度も聞き直すのではなく、一度の指示で要件を整理して伝える
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会話が長くなってきたら、区切りの良いところで新しいチャットを始める(AIが古いやり取りをすべて読み込み直す負担を減らせる)
例)
資料を丸ごと貼り付けて「この資料についてまとめて」と依頼するのではなく、「〇〇の部分だけを300字で要約して」のように、範囲と出力量をあらかじめ絞って伝えると、読み込ませる情報量・出力させる分量の両方を減らすことができます。
こうした小さな工夫の積み重ねが、結果的にトークン消費の抑制につながっていきます。
主に開発者側が行う工夫
AIをAPI経由でシステムやアプリに組み込む場合には、開発者側でもさまざまな工夫がされています。
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繰り返し使う長い指示文を保存して安く再利用する「プロンプトキャッシング」(Anthropic社の発表ではコストが最大90%削減された事例も紹介されています)
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AIがツールを呼び出す際の情報量を抑える工夫(出力トークンを最大70%削減)
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長い会話やタスクの中で重要な情報だけを残し古いやり取りを要約・整理する「コンテキストの圧縮」
いずれも裏側の仕組みとして行われているものです。私たちが普段のチャット画面から直接操作する機会は少ないかもしれませんが、こうした技術的な工夫が日々積み重ねられていると知っておくと、AI活用について理解が深まります。
おわりに
今回は「AIのトークン消費抑制」というテーマで、トークンの基本的な仕組みから、コストや速度、環境負荷といった観点、そして具体的な削減の工夫までを整理してみました。
普段何気なく使っていたAIの裏側で、トークンという単位がコストや速度に直結していると知り、少し使い方を見直したくなりました。ご紹介した内容を私も意識しながら、AIとの付き合い方を少しずつアップデートしていきたいと思います。
今後もAIを活用する機会が増えていく中で、こうしたコストや効率の話題にも引き続き注目していきたいと思います。
参考資料:OpenAI Help Center「Understanding and counting tokens」
参考資料:arXiv:2305.15425「Language Model Tokenizers Introduce Unfairness Between Languages」
参考資料:AITC(電通総研)生成AIにおける「トークン」とは?をやさしく解説
参考資料:国連大学水・環境・保健研究所「Environmental Cost of AI's Energy Use: Carbon, Water and Land Footprints」
参考資料:Anthropic「Prompt caching」
参考資料:Anthropic「Token-saving updates on the Anthropic API」
参考資料:Anthropic「Effective context engineering for AI agents」

