ごきげんよう、Sophy です。
INSIGHT LABでは、初の試みとして、今年から村上市の棚田でお米を作りました!パチパチパチパチ
収穫時期には、役員や一部の社員が現地で収穫作業を行い、炊き立てのお米を食べるという何とも贅沢な体験をしてきました。
そんな農業体験から、今回のテーマを「農業DX」にしようと思います。最後までお付き合いいただけますと幸いです!(ちなみに、私は収穫体験に参加しませんでした、すみません笑)
農業DXとは?
昨今、農業事業者の高齢化や担い手不足、気候変動といった様々な課題が深刻化しています。農業DXを推進することで、このような課題を乗り越え、持続可能な成長を実現させることが期待されます。
そもそも農業DXとはどのようなものでしょうか?
似たような単語として”スマート農業”という言葉を聞いたことがあると思います。こちらとの違いも合わせてご説明いたします。
”スマート農業”と”農業DX”の大きな違いは、範囲と目的です。
スマート農業は、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現する新たな農業と定義されています。つまり、生産現場でのデジタル化や効率化の側面に焦点が当てられています。
一方、農業DXは、単にデジタル技術を導入するだけではありません。デジタル技術やデータを活用した生産性の高い農業経営を通じて、消費者ニーズに的確に対応した価値を創造し提供する農業を目指しています。スマート農業を包括する広範囲な概念とされています。
農業DXのメリット
1.スマート農業による生産性の向上
IoT・AI・ドローンといった最新技術を活用することで、”勘や経験”に基づく生産から”データと分析”へ転換。自動化や遠隔監視の実現で労働負担を軽減する。
2.経営データの可視化
クラウドシステムなどの活用で、収支・在庫・販売データの一元管理を行う。データを連携させることで、コスト分析や収益予測の最適化が可能となる。
3.流通・販売のデジタル化
直販サイトやふるさと納税の活用により、販路の拡大が可能。生産者の顔が見られると、消費者の「安心・安全」に繋がる。
4.持続可能な農業
精密農業により、資源投入量を最適化させ、環境負荷を低減する。
精密農業:データ収集や分析を通して農地や作物の状態をきめ細かく把握することで、肥料・水・農薬等の量を最適化するデータ駆動型の農業
| 項目 | 現状の課題 | DXによる変革 |
|---|---|---|
| 労働力 | 高齢化・人手不足 | 自動化・遠隔管理 |
| 経営判断 | 勘と経験 | データドリブン経営 |
| 販売 | 卸売中心 | 直販・オンライン化 |
| 持続可能性 | 環境負荷高 | スマート&グリーン農業 |
ただ、農業DXを推進するにあたっては、IT人材の確保や初期コストの投資、作業の標準化など解決すべき課題もあります。まずは影響の少ない範囲でのデジタル化(スモールスタート)やITベンダーなどの専門家に相談することをお勧めします。
デジタルツールの紹介
ここからは、農林水産省のホームページに記載されているデジタルツールについて調べていきます。ホームページにはDX事例も記載されていますので、ご興味があればご参照ください。
参考:農業DXの取組事例(農林水産省)
■レイミーAI病害虫雑草診断アプリ
害虫や雑草の防除・管理に特化したスマートフォン用アプリです。無料でダウンロードが可能なためコスト面のハードルは低く、デジタル化の一歩には適したアプリだと感じます。
主な機能は、以下となります。
1.AI診断
画像データを基にAIが対象を識別し、最適な防除薬剤を提案してくれます。作物の種類と対処したい項目(病害・食害 or 害虫 or 雑草)を選択し写真をアップすると診断が開始されます。
2.AI予察
エリアを設定しておくことで、天候や気温のデータを基に病害の発生を予測してくれます。
3.図鑑
農薬や病害虫雑草の図鑑を搭載しているため、作物ごとに最適な農薬の検索が可能です。お気に入り登録の機能もあるため、あとから簡単に検索が可能です。
4.診断履歴
診断結果は履歴としてアプリに保存されます。いつ・何が出たのかを把握しておくことで、発生を防ぐために対策を打てます。
■AGRIHUB(アグリハブ)
生産に関わる農薬・肥料の管理から、売上や作業記録までトータルで管理できるアプリです。こちらも無料でダウンロードすることが可能なため、これからデジタル化を始める事業さんにとっては、導入しやすいアプリだと感じます。(使用するにあたり、アカウントの登録が必要となります。)
主な機能です。
※一部の機能のみ記載しております。他にも機能がありますので、気になる方はWEBサイトをご参照ください。
1.農薬管理
作業日や散布量、作業時間の登録ができます。農薬ごとに散布量も記載されているため、常に最適な管理が可能です。
2.売上管理
販売先や作物ごとの売上が登録できます。日間・週間・月間・年間での表示が可能です。
3.データ分析
登録したデータを自動でまとめてくれるので、簡単に見える化ができます。売上やコストのデータを参考にすることで、経営判断の一助になります。
参考:農家が作った農家のための農業日誌アプリAGURIHUBアグリハブ
おわりに
農業DXは、これからの農業を支えていく上で重要な取組だと感じます。まずは、スモールスタートから始め、自分たちに適したデジタル化を推進していくことが望ましいと思います。そこから、徐々にデジタル技術の活用範囲を広げ、DXの実現を目指したいですね。
弊社では、デジタル化やDX化に取り組みたい企業様を支援しております。農業分野でのデータ活用事例もありますので、気になる方はお問合せ下さい!
事例:アクアポニックスのプラットフォーム化に向けたRPA×AWSによるデータの一元管理

