ごきげんよう、Sophyです。
皆様は「デジタルツイン」という技術をご存じですか?
今回は、この技術活用について調べてみましたので、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
デジタルツインとは
デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実世界の情報(物体、空間、プロセスなど)を仮想空間(サイバー空間)にリアルタイムで再現する技術です。この技術を活用することで、現実世界の状況を仮想空間上でシミュレーションすることができ、分析や予測を可能とします。
デジタルツインは、1960年代にNASAがアポロ計画で用いた「ペアリング・テクノロジー」の概念をもとにしています。宇宙船の全ての機器やシステムを模倣したシミュレーション環境を構築し、宇宙船とリアルタイムで連携させることで、トラブルが発生した際の問題解決に活用していました。
様々な分野で活用が見込まれるデジタルツイン、市場規模は2025年には3兆9,142億円に成長すると予測されています。
参考:総務省 令和5年版 情報通信白書|デジタルツイン
デジタルツインのメリット
デジタルツインの活用には、以下のメリットが考えられます。
1.リアルタイムな最適化
IoTやセンサーなどで取得したデータをもとに、仮想空間上でリアルタイムに表現することで、異常検知や故障予測を把握し最適化することが可能です。
2.コスト削減と効率性向上
仮想空間でのシミュレーションを行うことで、試作や検証にかかる時間やコストを削減することができます。建築やインフラ分野では、設計や保守計画立案にも活用できます。
3.スマートシティの推進
都市インフラや交通に関するデータを統合することで、交通渋滞の予測やエネルギー消費の最適化を実現し、安心安全なまちづくりや環境負荷の軽減に繋がります。
4.DX推進
AIや機械学習と組み合わせ膨大なデータを解析することで、より高精度なシミュレーションや予測を可能とします。
上記のように、デジタルツインは様々な分野への活用が期待される技術ですが、もちろんデメリットな面も併せ持ちます。例えば、「デジタルツインを実現するコストが必要」「情報漏洩等を防止するためのセキュリティ管理の徹底」などが考えられるでしょう。
デジタルツインの活用事例
ここからはデジタルツインの活用事例をご紹介します。
■PLATEAU
日本全国の都市デジタルツイン実現プロジェクト「PLATEAU」
国土交通省主導のもと2020年にスタートし、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化のエコシステムを構築することで、まちづくりのデジタル・トランスフォーメーションを促進しています。防災計画や防災マニュアルの策定、熱流体シミュレーションなど様々な分野で活用されています。
参考:PLATEAU
■医療への活用
NTTグループでは、「バイオデジタルツイン」の研究を進めています。
受診データや人の生活で得られる身体データなどの様々なデータを収集し、デジタルツインコンピューティング技術をつかって、サイバー空間上に緻密な写像を実現します。個人の特徴をとらえたリスク予想・要因分析、診断や治療方針の出力を得ることを目指します。
参考:NTT技術ジャーナル記事
■製造現場の最適化
TOYOTA社では既存の設備を3Dモデル化、デジタル上の改善をリアルの現場に反映させる、双方向型のデジタルツインに取組んでいます。人が作業していた工程を3Dモデル上で改善・自動化し、それを実際の設備に反映させることで、生産性の向上につなげています。
参考:未来を支えるモノづくり技術
最後に
急速に変化する現代において、デジタルツイン技術も著しく進化していることがわかりました。活用の幅も広く、様々な分野に取り入れることができる技術だと感じます。
今後のさらなる発展が楽しみですね!