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【Tableau×観光】ワークショップ開催レポート②

作成者: BI LAB編集室|2022年1月21日

おはこんばんちは!
前回書いた記事「【Tableau×観光】ワークショップ開催レポート①」では、観光のDX化、そしてその状況で新潟観光協会様が行っている取り組みについてご紹介しました。

今回の記事では、新潟観光協会様と2021年6月に開催しました「Tableauワークショップ」の1回目について、その内容をご紹介したいと思います。

テーマは「Tableauを触ってみよう」&「KPIの設定と分析」

1回目のワークショップでは弊社代表の遠山がメイン講師として、新潟観光協会様が公開されているTableauのダッシュボードに触れてどのようにデータを可視化、分析できるのか体験しつつ、KPI設定のグループワークを行いました。
新潟観光協会様では、観光に関するデータを県に集約したプラットフォーム整備を進める上でTableauを導入して各市町村から連携されたデータを「新潟県の観光統計データ」としてWeb上で公開しています。
サイトでは新潟県全体の観光にまつわるデータ、Googleアナリティクスのデータなどがとても見やすく可視化されていますので、ぜひご覧になってみてください。
今回のワークショップでは、こちらのダッシュボードを利用させていただきました。
色使いもシンプルでわかりやすく、とてもきれいなダッシュボードですね。勉強になります!

ワークショップの前半では、データ分析がなぜ重要なのか、またTableauをデータ分析に用いるメリットや、Tableauでどんなことができるのか、遠山から参加者に向けてプレゼンテーションさせていただきました。


Tableauについては弊社が運営している「Tableauナレッジ」でも、いろいろな情報を発信しています。TableauがどんなBIツールなのか気になる方は、ぜひ以下のリンクもご覧ください。
https://solution.insight-lab.co.jp/tableau

Tableauに触ってみよう

まずは参加者の方々にTableauのダッシュボードに触れていただき、データの絞り込みやTableau特有のインタラクティブな操作感を実感いただきました。
新潟県全体とエリア別の観光客数の年月別推移の分析として、ワークショップで取り上げた事例をご紹介します。

まずは何も絞り込みをしない状態で2017年から2019年で「観光客入込数の変化」を見てみましょう。
新潟県は雪が多いイメージがあることから、冬季の観光客が多いかと思いきや、意外と8月の夏休みシーズンに観光客が多いようです。

では県全体ではなく、エリア別にみたときも県全体と同じような傾向がみられるのでしょうか?
この疑問についてデータを絞り込んで調べてみましょう。

村上・新発田エリアで絞り込んでみると、こちらの地域は県全体と同じような傾向ですね。

今度は上越・妙高エリアで絞り込んでみます。
すると県全体の傾向とは異なり、8月のほかに4月に突出して観光客が多いことが分かります。

これは観光客に人気があるイベントが上越・妙高エリアで何か行われているのではないでしょうか?
このような推測のもと、「行祭事・イベント入込数」を見てみると、2019年では「高田城百万人観桜会」(現在は「高田城址公園観桜会」)というイベントにたくさんの観光客が訪れていることが分かります。

私もこちらのイベントが気になって調べていくつか写真を見てみましたが、高田城の桜は日本三大夜桜のひとつとされているとのことで、これは確かに人気がありそう・・・!と納得できるほどきれいな風景でした。
【参考】上越観光navi:https://joetsukankonavi.jp/kanoukai/

このほかにもダッシュボードを触ってみると、「海外の観光客はどこの国が一番多いのか」「新潟に行きたいとはきっかけは何か」など、データからいろいろな気づきが得られると思います。
ぜひ「新潟県の観光統計データ」のダッシュボードを触ってみてください。

ワークショップ「KPI設定と分析」

Tableauのダッシュボードに触れていただきその操作感を掴んでいただいたところで、後半は参加者で4、5名のチームに分かれてKPI設定についてディスカッションです。

ちょっと話がワークショップから外れますが、KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語に訳すと「重要業績評価指標」と言います。
ざっくりとKPIについて説明すると、目標を実現するために実行すべきプロセスに対し、達成状況を評価するための基準とする数値目標のことで、マーケティングの施策をする際には、適切にKPIを設定することが重要だといわれています。

グループワークではチームごとに話し合ってKPIを3つ設定し、Tableauのダッシュボードなどを使って結果を導き出す、というワークに取り組んでいただきました。最後はチームごとに議論した内容を発表タイムです。


ほとんどが初対面の方とチームになっていたと思うのですが、限られた時間の中で全チームがしっかりと意見がまとまっており、参加者のみなさんが積極的にグループワークに取り組まれた様子が感じられるグループワークとなりました。

ワークショップを通して見えたデータ活用における重要ポイント

ワークショップで各チームから出た意見の中を振り返ってみて、参加者のみなさんがデータ利活用における重要なポイントに気づかれているなと感じました。

ひとつめのポイントは「KPIを設定する前に目的をはっきりさせること」です。

データ利活用を推進していくときは、第一に自分たちが何をやりたいのか、という目的をはっきりさせることが重要です。なんとなく設定したKPIでは、見ているだけになってしまう可能性が高いです。
まずは将来の目指すべき姿をしっかりとイメージしてから、そのイメージを実現するためのプロセスを考え、進捗を評価するためのKPIを設定しましょう。

ふたつめのポイントは「設定したKPIを評価するためのデータが不足している」ということです。

データ利活用を始めようと考えたとき、手元にあるデータでは不十分で自分たちが知りたい情報を得られない、という場合が多いです。
せっかくデータ活用を進めようと思ったのに、肝心のデータがないということではやる気がなくなってしまいそうですが、私としてはそこに気付けただけでもDX化という取り組みに向けた大きな一歩だと思います。
データがない、ということに気づいたならば、「では必要なデータを取得するためにはどうすればいいのか?」ということを考える次のステップに進んでいきましょう。

第2回ワークショップでの取り組み

第1回のワークショップを通してデータ利活用における課題設定し、データに基づいた効果測定、ということに取り組んでみたわけですが、データ活用における次なる課題は、データの集計、可視化をいかにスムーズに行うかということです。
新たにデータを得たところで、そのデータを集計したり、チャートを作ったり、というところに時間や労力がかかってしまうと、次はどうするかという施策改善を考えることが疎かになってしまいます。

そのような課題を解決するために、近年ではいろいろなBIツールが登場しているわけですが、Tableauはその中でも特に人気がある製品なのです。
きれいなダッシュボードが作成できるのはもちろんのこと、データの集計、可視化という作業がドラッグ&ドロップで簡単に行うことができるのがTableauの特徴です。
第2回のワークショップでは、その直感的な操作感を体験していただけるような企画を行ってみました。
次回のブログにてその内容をお届けしたいと思います。