こんにちは、riceです。
生成AIやRPAで自動化、といったデジタル技術が急速に進化する中、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)は避けて通れないと言っても過言ではないテーマになっています。
しかし実際には、特に中小企業において「人材不足」や「コスト」といった壁があり、思うように進まないという話もよく耳にします。
そこで今回は中小企業におけるDXの現状と課題、そして解決方法について調査しました。
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構の調査によると、従業員1,001人以上の企業では96%以上がDX推進を進める一方、100人以下の中小企業では46.8%にとどまっています。中小企業におけるDX推進は依然として大きな課題です。
デジタル化・DXの取組状況は、デジタルツールを活用した部分的なものが大きく、デジタルトランスフォーメーションとされる「ビジネスモデルの変革」や「競争力強化」といったところまで進んでいる企業は少ないことが見て取れます。
「DXに期待する成果・効果」について、4割近い回答となった上位2つが「コスト削減、生産性の向上」「業務の自動化、効率化」とされています。
DXへの手段として、コスト削減や業務効率化といった部分的な取り組みから開始するスモールスタートは推奨されています。こちらは良い第一歩ですが、DXの目的は、デジタル技術を活用して新たな価値を創出し、企業文化そのものの変革に取り組むことです。
デジタル化の取り組みを通じて成果を積み重ね、その先のDXへと発展させていく企業がさらに増えていけばと感じます。
日本の中小企業でDXが進まない原因や課題は多岐にわたりますが、主な課題は以下が挙げられます。
- DX推進をリードするデジタル人材や、ITシステムを運用・活用できる人材がいない
- デジタル人材の採用が困難、また、既存社員の育成には時間とコストがかかり大きな負担となる
- 新しいデジタル技術やシステム導入といった初期投資へのハードルが高い
- DXの効果や成果がすぐに見えにくいことから、投資に対するリターンが不透明
- 経営者層がDXの重要性を十分に理解していない
- 「何のためにDXを行うのか」という経営戦略や具体的な計画が策定されていない
前述した課題と対応する形で解決方法の一例を見ていきたいと思います。
こうして、内部での育成や外部リソースの積極的な活用を進めるとともに、人材が定着する仕組みの構築も必要となります。
DXへの投資をコストではなく、価値創造のための投資として捉えることが大切です。
経営変革そのものとしてDXを位置づけ、ビジョンや戦略だけでなく、社員全員が新しい仕事のやり方や働き方に順応できるように"行動指針"を示すことが経営層に求められます。
参考資料:経済産業省 DXレポート2.2
参考資料:経済産業省 中堅・中小企業等向けDX推進の手引き2025
おわりに
DXは、デジタル化やシステム導入によって業務効率化を実現して終わりではなく、継続的にデジタルを活用し、企業の価値を高めていく取り組みです。
まずは"身近な業務のデジタル化"からでも十分ですが、「自社にとってのDXの目的」を明確にしたうえで進んでいくことが重要です。
環境変化が激しい現代、自社の強みや課題を踏まえた戦略的な取り組みが必要ですね。