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行政×DXの話

作成者: donut|2021年12月20日

こんにちは、donutです。
早いものでもう年末ですね。
そして寒波も到来し、新潟にも本格的な冬が近づいていることを実感しています。
さて、毎年この時期になると欠かせない手続きの一つとして
挙げられるものとして「年末調整」があります。
年末調整は2020年10月以降から電子手続きが可能となりましたが、
まだまだ書類ベースでの手続きが多い印象です。

<参考>※国税庁のサイトになります※
年末調整手続の電子化に向けた取組について

DXを学び始めた当初は、「日本でもデジタル化が進展することであらゆる行政手続きをスムーズに
進めることができるのでは?」と、漠然と考えていました。
しかし、世代によっては「IT自体がよく分からない」「電子手続きは難しい操作が多く、むしろ書類に直接書くよりも複雑で大変」といったイメージが先行し、ITに関して抵抗を感じてしまう方がいらっしゃるのも事実です。

スマートフォンやパソコン、タブレットといった文明の利器を持っていても、宝の持ち腐れにならないような使い方ができたら......調べていくうちに、こんな記事を見つけました。

<参考>
日本がエストニアから学ぶべき「行政DX」とは

エストニアについて

エストニアはヨーロッパのバルト三国(リトアニア・ラトビア)の
一つであり、人口は130万人(日本の約100分の1)、そして、言わずと知れたIT国家でもあります。

2001年頃からデジタル化に向けた取り組みを開始したエストニアでは、
年月と試行錯誤を重ねながらシステム開発を推し進め、現在では結婚・離婚を除いた行政手続きの9割を
インターネット上で完結できる仕組みを作り上げました。
大まかな行政手続き内容としては以下があります。

 ・確定申告、企業の登記申請、年次報告書の提出、取締役会リストの変更
 ・医療記録、患者の来院履歴や病歴、X線写真を病院間で共有が可能
 ・出生届や子どもの命名
 ・大学の入学願書申請、各学校への入学申請、成績表へのアクセス

また、エストニアでは国民一人ひとりにカード型のパスポートが発行され、
「子供が生まれると名前ではなく、個人番号が先に決まる」とも言われています。
(日本でいうマイナンバーカードのようなものですね)

コロナ禍を想定していなかったとは言え、エストニアの目覚ましいIT技術の発展や利便性には驚くばかりです。

日本や行政におけるDX推進について


日本でも2021年9月1日に「デジタル庁」が設置され、更なるDX化の推進を
行っていますが、他国と比較するとITに関しては発展途上にある印象です。

なお、こちらの内容に関連して、弊社CEOであるISAOさんも
日本のDX推進について言及された記事を書かれています。

 <参考>
 ◆DX推進が抱える3つのジレンマ
  ※ISAOさんが執筆されているnoteのサイトになります。
   とても分かりやすく解説されていますので、あわせて読んでいただくと
   DXに関してより深い知見と理解が得られるかと思います。

また、経済産業省が取りまとめた「DXレポート」では、
企業や国、自治体で使用されている「レガシーシステム(※)」の大半が
2025年に寿命を迎え、且つ、深刻なIT人材不足と相まって日本のDXを
大きく阻害する可能性があるという試算が報告されています。
この試算は2025年の崖とも呼ばれています。

(※)過去の技術や仕組みで構築されているシステムを示します。

そうした状況を踏まえ、デジタル庁でも以下の事業を
加速させようと試みています。これに加え、昨今のコロナ禍が
重なったことで、デジタル化に向けて更に歩みを進め始めていることが
現在の日本社会の実情ではないかと考えています。

 ・行政システムのクラウド化
 ・官民のデータ連携
 ・電子政府化

<参考>※経済産業省のサイトになります※
デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会の報告書
 『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』を
 とりまとめました

ちなみに、新潟県でもDX化に伴うオンライン構想が策定されています。
令和7年度(2025年)までに新潟県が単独で変更可能な手続きのオンライン化を
目標としていることから、新潟県におけるDXのさらなる推進が期待されます。

<参考>
新潟県行政手続オンライン化構想

デジタルトランスフォーメーション(DX)※新潟市のサイトになります

こうして調べてみると、日本や各都道府県でのDX化に関しては
現在も様々な課題があり、まだまだ道半ばであるということを改めて知ることができました。
これらの課題が払拭され、日本においてもDXが進展することを願っています。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。