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【DX推進】デジタルスキル標準とは?~人材の育成指針について~

作成者: Sophy|2025年1月14日

ごきげんよう、sophyです。

年も明けて、本格的に雪が降り始めましたね。毎年のことながら、雪が降ると交通網に影響が出たりとマイナスな面はあるものの、ついつい「雪だ!」と一瞬テンションが上がってしまいます。
(即座に現実に引き戻されて、電車の遅延状況をチェックしています。)

さて、今回のブログでは「デジタルスキル標準」について調べたことを投稿いたします。

デジタルスキル標準とは?


デジタルスキル標準は、DX推進における人材の育成や確保の重要性を鑑み、経済産業省および独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が公開しています。

昨今、データやデジタル技術の発展に伴い、企業が競争力を強化するためには、DX推進に力を入れることが重要とされています。一方で、DXの推進状況は十分とは言えず、特に中小企業におけるDX推進の遅れが顕著に表れていると感じます。DXの重要性は認識しているものの、デジタルに精通する人材の不足等が課題となり、思うように進められていないことが要因の一つとして上げられています。

そこで、全社的なITリテラシー向上やデジタル人材の重要性を捉え、個人の学習や企業の人材確保・育成の指針として「デジタルスキル標準」が策定されました。

デジタルスキル標準の構成

デジタルスキル標準は、DXリテラシー標準DX推進スキル標準の2種類で構成されています。

・DXリテラシー標準
以下の指針及び、それぞれの指針において学習が期待される項目(学習項目)が定義されています。
・DXに関するリテラシーとして身につけるべき知識の学習の指針
・個人が自身の行動を振り返るための指針かつ、組織・企業が構成員に求める意識・姿勢・行動を検討する指針

・DX推進スキル標準:
DX推進に必要な人材類型(ビジネスアーキテクト/デザイナー/データサイエンティスト/ソフトウェアエンジニア/サイバーセキュリティ)について類型ごとに、ロール及び必要なスキルを定義している。

また、対象となる人材は、デジタル技術を活用して競争力を向上させる企業等に所属する人材を想定しており、この内、DXリテラシー標準は「全てのビジネスパーソン」を、DX推進スキル標準は「組織・企業において専門性を持ってDXの取組みを推進する人材(DXを推進する人材)」を対象としています。

参考:IPA デジタルスキル標準 ver.1.2

DXリテラシー標準

DXリテラシー標準は、全てのビジネスパーソンが対象となります。
組織全体のリテラシーを向上させ、一人一人がDX推進の重要性を認識することで、社内のDX推進を加速させることが期待されています。

DXリテラシー標準の学習項目は、以下となります。

  • マインド・スタンス
    • 変化への適応
    • コラボレーション
    • 顧客・ユーザーへの共感
    • 常識にとらわれない発想
    • 反復的なアプローチ
    • 柔軟な意思決定
    • 事実に基づく判断

  • Why:DXの背景
    • 社会の変化
    • 顧客価値の変化
    • 競争環境の変化

  • What:DXで活用されるデータ・技術(☆:データ ★:デジタル技術) 
    • 社会におけるデータ(☆)
    • データを読む・説明する(☆)
    • データを扱う(☆)
    • データによって判断する(☆)
    • AI(★)
    • クラウド(★)
    • ハードウェア・ソフトウェア(★)
    • ネットワーク(★)

  • How:データ技術の活用
    • 活用事例・利用方法 データ・デジタル技術の活用事例
    • 活用事例・利用方法 ツール利用
    • 留意点 セキュリティ
    • 留意点 モラル
    • 留意点 コンプライアンス

このブログでは項目名のみ記載しておりますが、詳細な内容を確認したい場合には、デジタルスキル標準Ver.2.1をご参照ください。

参考:IPA デジタルスキル標準 ver.1.2

DX推進スキル標準

DX推進スキル標準は、主にDX推進を担当する専門性の高い人材を対象としています。

DX推進スキル標準では、人材を5つの類型に定義し、各類型間の連携により新しいアイデアやサービスの創出を目指します。

以下、5つの類型

  • ビジネスアーキテクト
    • DXの取組みにおいて、ビジネスや業務の変革を通じて実現したいこと(=目的)を設定したうえで、関係者をコーディネートし関係者間の協働関係の構築をリードしながら、目的実現に向けたプロセスの一貫した推進を通じて、目的を実現する人材
  • デザイナー
    • ビジネスの視点、顧客・ユーザーの視点等を総合的にとらえ、製品・サービスの方針や開発のプロセスを策定し、それらに沿った製品・サービスのありかたのデザインを担う人材
  • データサイエンティスト
    • DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材
  • ソフトウェアエンジニア
    • DXの推進において、デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材
  • サイバーセキュリティ
    • 業務プロセスを支えるデジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を抑制する対策を担う人材

各類型はさらに細かく定義されているため、詳細が確認したい場合は、デジタルスキル標準Ver.2.1をご参照ください。

また、2024年7月に、生成AIに関する内容も追加・変更されていますので、併せてご参照ください。

参考:IPA デジタルスキル標準 ver.1.2

まとめ

企業におけるDX推進を加速させるためには、専門部署だけでなく組織全体で進めていくことが重要です。社員一人一人が、自社の「DXを推進する目的」を理解した上で、目の前の問題点を課題として捉え言語化することから始まると考えます。

まずは、DXの基礎的な部分や考え方を学び、気になったことは意見や疑問として発する、調べるところから取り組みたいですね!