こんにちは、donutです。
今回は、大盛況のうちに幕を閉じた「にいがた酒の陣」にちなみ、お酒とデジタル技術について
書いていきたいと思います。
にいがた酒の陣は、新潟県酒造組合が設立50周年を記念し、2004年に初めて開催されました。
20年の歳月の中で震災やコロナ禍等、多くの困難を乗り越えた末に20周年の節目を迎えました。
2024年3月9日~10日にかけて開催されたにいがた酒の陣の会場である朱鷺メッセには、
県内78の酒蔵から約500種類の地酒が集結しました。
混雑緩和のため、3時間ごとの入れ替え制で、各回の定員は4000人を動員しましたが、
事前に販売されていた来場チケットは開始と同時に即日完売したそうです。
また、感染症対策の緩和もあり、おちょこによる試飲も再開されました。
他には例を見ない日本酒をメインにしたイベントとして、県外はもちろん、海外からも多くの
観光客が訪れ、一部では「日本酒版コミックマーケット」とも呼ばれているそうです。
特に、普段あまり接する機会がない生産者と消費者が直接対話できる場であることや、
酒蔵にとっては顧客から直接感想や意見をもらえること、新商品のテストマーケティングや
商談要素でも活用されるなど、いち日本酒イベントを超えた価値が提供されています。
<参考>
◆にいがた酒の陣 日本酒ファンで大盛況 おちょこによる試飲も再開
そんな日本酒ですが、昨今のデジタル技術の導入により、醸造作業の効率化や品質管理が向上し、
より高品質な日本酒が生産されるようになりました。
NEC株式会社では、酒造現場で活用されているデータ分析ツールとして
「NEC清酒もろみ分析クラウドサービス」を開発しています。
<参考>
◆NEC 清酒もろみ分析クラウドサービス
アルコールなどの成分情報やもろみ(※)の温度など、日本酒を製造する工程では必要な作業や
分析対象となるデータが多く存在しています。これらの工程やデータ管理をデジタル化し、
過去や目標としている仕込みデータとの比較、製造工程の関係性分析も可能であることから、
酒造りをデジタル面でもサポートしています。
(※)日本酒や醤油、味噌などを作る工程において、原料が発酵している状態を示します。
シャープ株式会社では、においを画像化して見分ける製品を開発しています。
正式名称は「AI Olfactory Sensor(AIにおいセンサー)」です。
ChatGPTの台頭で一躍脚光を浴びたAI(人工知能)と、ディスプレイ基盤技術を活用することで、
より高度な判定精度を可能としています。
これまで五感(嗅覚/味覚)頼りだったワインといったお酒の香りを可視化することで、品質管理の
さらなる向上が見込まれています。
また、シャープでは日本酒の醸造を行う職人でもある「杜氏(とうじ)」のスキル再現に関する
検証を進めています。
杜氏は、嗅覚で日本酒の状態や品質を判断していますが、AIにおいセンサーでは約9割の精度で
杜氏と同一の判断を可能としているため、酒蔵における後継者問題の貢献も期待されています。
<参考>
◆ワインの銘柄も「におい」で判定 AI事業の強化急ぐシャープ AI活用のセンサー技術を公開
(TBS NEWSより)
今回は、日本酒とデジタル技術についてご紹介しました。
伝統を重んじながらも、新しい技術や価値観を取り入れることで、より高品質で味わいのある
日本酒製造はもちろん、デジタル化によって新たな酒造りの可能性の開拓も期待されますね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。