こんにちは、donutです。
最近ワールドカップを見ていた影響でやや寝不足気味になっています...笑
前回大会準優勝国のクロアチア、流石の強さでしたがそれでも延長戦からPKまで
諦めずに戦い抜いた日本代表はとても素晴らしかったです。選手達が次回のワールドカップで
どんな景色を見せてくれるのか楽しみになりました。
さて今回は、「電子帳簿保存法」について調べてみたいと思います。
電子帳簿保存法は、紙での保存が義務付けられている会計帳簿や
領収書などの書類を電磁的記録(電子データ)で保存することを認めている法律です。
昨今の高度情報化やペーパーレス化により、会計処理でもパソコンなどを利用した
帳簿書類の作成が普及してきたことに伴い、平成10年に創設されました。
これまで税関係の帳簿書類は紙媒体として原本を「7年間」保管しておく必要がありました。
しかし、「オフィスの保管スペースに限りがある」「どこに書類を保管したのか
分からなくなった!」といった悩みの声も散見されました。
こうした問題点を電子データとして対応したことでまとめて解決できる可能性が期待されています。
電子による保存は、主に以下の3つに分類されます。
・会計ソフト等で作成した帳簿(仕訳帳、貸借対照表など)を電子的に保存する
→電子帳簿等保存(電子データ保存)
・紙で作成/受領した書類(決算関係、契約書など)を画像データとして保存する
→スキャナ保存
・電子的に授受した取引情報(電子メールやクラウドなど)をデータで保存する
→電子取引
ちなみに、電子データを保管する媒体は指定されていないため、
ハードディスクやDVD、磁気テープ、クラウドストレージサービスなど、
各企業の体制に合致するものを活用することができます。
電子取引データの保存義務化については、令和4年に実施された法改正により、
「令和5年12月31日まで」2年間の猶予措置が設けられました。
つまり、実際には「令和6年1月1日」より義務化されることになります。
期間で見ればまだ猶予はありますが、電子化に向けた準備が必要になることは変わりありません。
また、令和4年から運用変更された内容としては以下となります。
・電子帳簿保存法の運用を開始する際に税務署での届け出/事前承認が不要となる
→電子保存を導入する場合は原則、「運用を開始する3ヶ月前まで」に所轄の
税務署へ申請し、承認を得る必要がありました。しかし、改正によって
審査が不要となったため、経費精算システムや社内ルールなどの
準備が整い次第、すぐに運用開始が可能となりました。
準備期間が大幅に短縮できるだけでなく、事前申請書類の用意も
不要になったことで、導入へのハードルが大きく下がったといえるでしょう。・「タイムスタンプ付与期間」を現行の3日から2ヶ月に延長
→通常、領収書や契約書といった税務関係の書類を電子データで保存する場合、
不正行為防止のために電子データの作成日時(スキャンされた日時)を示す
タイムスタンプを付与する必要があります。
タイムスタンプがあることで「付与時に確実にデータが存在していたこと」や
「付与時からデータが変更されていないこと」の証明が可能となり、
データの信頼性を担保しています。
改正前は、「書類のスキャン後から3日以内」にタイムスタンプを付与する
必要がありましたが、長期休暇や在宅勤務の理由で期日を守るのが難しい
ケースが散見されました。
そのため、令和3年1月以降より期日が「最長2ヶ月以内と7営業日以内」まで
延長され、担当者が余裕を持って業務を行うことができるようになりました。
また、長期休暇や在宅勤務の場合でも、スキャンのためだけに出社する
必要もなくなり、届いた書類をまとめてスキャンするといった運用が
可能となっています。・電子データの改ざん等が発覚した場合、「重加算税加重」の罰則が設けられる
→紙の保存では起こり得ないようなデータ改ざんによる不正があった場合、
「重加算税を加重する」ペナルティが生じてしまいます。
通常、税務署の調査で書類隠ぺいや捏造などの不正が発覚した場合、
追徴税額の35%の重加算税が課されますが、令和4年1月以降より
電子データに関連した不正が見つかった場合、さらに10%加重されることに
なります。なお、この加重については、前述した「スキャナ保存」
「電子取引」が対象です。
前述した情報については国税庁のHPでも公開中ですので、あわせてご参照ください。
<参考>(PDFファイルです)
◆電子帳簿保存法が改正されました(国税庁HPより)
そんな電子帳簿保存法ですが、主に以下のメリット・デメリットがあります。
<メリット>
・文書等の保管や運搬コスト、紛失リスクの削減が可能となる
→クラウドやツール等での電子データ管理によって紛失のリスクを
減らすことができます。
・情報管理の利便性の向上及びセキュリティ体制の強化
→部外者からの重要文書の閲覧防止といったセキュリティ対策を
講じることが可能です。
・資料検索時の利便性向上
→「過去の請求書を参照したい」という場合において、目的の資料を探す際に
電子データにタグ(目印)をつけることができるため、検索性の高さから
すぐに書類を見つけられる点もメリットです。
<デメリット>
・電子帳簿保存法に適合するシステムやツールの導入時に
時間や費用がかかってしまう場合がある
→利用の際は、「紙媒体のままで運用した場合に生じるコスト」と
「電子的に運用する場合に生じるコスト」で比較・検討を行うことが大切です。
経済的コストだけでなく、業務効率性等の観点からも検討する必要があります。
・各企業での業務手順見直しをはじめ、担当者への教育も必要になる
→場合によっては業務フローに大幅な変更が生じてしまったり、運用担当者も
IT知識の習得が必要になります。
・データのバックアップの取得作業や定期的な運用の見直しが必要になる
→サーバーダウンといったシステム障害や、セキュリティの脆弱性を突いた
サイバー攻撃のリスクなど、デジタル特有の問題にも備えなければなりません。
データ破損/消失リスクに備えるためにも、セキュリティの構築や定期的な
バックアップの実施も必須となるでしょう。
ここまで電子帳簿保存法について解説してきましたが、donutが独自に調査した中で
電子帳簿保存に役立つツールやソフトをいくつかご紹介したいと思います。
・クラウド会計システム
→テレワークが主流となった近年では、作業場所を選ばないクラウド型の
会計システムが注目を集めています。ネットワーク環境さえ確保できれば
どこからでもアクセスして作業ができるため、在宅時や移動中でも会計処理が
スムーズに行うことが可能です。
そんなクラウド会計システムに特化したソフトは以下になります。■弥生会計オンライン
会計ソフト大手の弥生株式会社が運営しているクラウド会計システムです。
初めての経理業務でも簡単、安心に利用できるクラウド会計ソフトになります。
帳簿やレポートも自動作成/集計が行えるため、経理の知識がなくても簡単に
操作できることが特徴です。
さらに、スマホからの入力も行えるため、利便性の良さがうかがえます。■MFクラウド会計
株式会社マネーフォワードが提供するクラウド会計ソフトです。
個人事業主から大企業まで対応しており、2022年1月に改正された
電子帳簿保存法への対応も可能です。
クラウドサービスでもあることから、出先でも経営分析データを
チェックすることが可能なため、「経営の見える化」に繋げることもできます。
・経費精算システム
→経理業務において出張費などの経費が発生した場合、
申請→確認→承認といった作業フローが発生します。
「経費精算システム」は、これらの業務を自動化してくれるものです。
申請書類をスキャンしてデータ化し、クラウドへ保存することで、
インターネット上で申請から承認までの業務を行うことができます。
また、システムによってはスマートフォンからスキャンできるものや、
ICカード/クレジットカードと連携して経費を自動入力できるものもあります。
いずれもオンライン上で作業フローが完結するため、担当者へ確認に行く
手間を省き、月末になって溜め込んでしまった書類を慌てて処理する...
といったリスクも防止できます。
経費精算システムに特化したソフトは以下になります。
■TOKIUM(トキウム)
株式会社TOKIUMが提供するクラウド経費計算システムで、経費精算業務を
90%以上カットでき、導入前後で経費計算にかける時間を10分の1にすることも
可能なため、1000件以上の企業で導入されています。
また、サポート体制の充実さも魅力の一つであり、専任のコンサルタントが
導入までサポートしてくれるため、初めての企業でも安心して検討が行えます。■ジョブカン経費精算
株式会DONUTSが提供するクラウド型の経費精算システムです。
基本的な経費精算機能が網羅されており、経理担当者/申請者/承認者で
全ての手間を軽減できます。
また、作成した仕訳データは会計ソフトへ取り込めるため、経理業務の
大幅コスト削減ができます。
もちろん電子帳簿保存機能も搭載されているため、書類の保管場所の
確保や紛失等のリスク軽減も可能です。
今回は電子帳簿保存法について紹介させて頂きました。
紙媒体の電子化は企業としても避けられない課題ではありますが、法律を知ることはもちろん、
「導入することによって自分の会社ではどんなメリット・デメリットが発生し得るのか?」を
深堀しながら検討することも重要だと感じました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。