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登録制限が撤廃された「Bluesky」企業での活用例を調べてみました。

作成者: donut|2024年3月07日

こんにちは、donutです。

早くも3月になりましたが、まだ寒い日々が続いています。
加えて花粉症も始まっているため、体調に気を付けたいところです。

さて今回は、登録制限が撤廃されたことで話題となっているBlueskyについて調べてみました。

Blueskyとは

Blueskyは、2023年4月にリリースされた短文投稿用のSNSサービス(アプリ)です。
かつてTwitter社のCEOを勤めていたジャック・ドーシー氏が開発に携わっていたことでも
話題になりました。

自分や他のユーザーが投稿した内容をタイムラインで見ることができるため、X(Twitter)と
似た部分もあります。
昨年X(Twitter)で話題になったAPI制限騒動の影響で登録者が殺到し、一時登録制限がかかっていた
ものの、2024年2月6日から制限が解除され、現在は誰でも登録することが可能となっています。

<参考>
Bluesky

ジャック・ドーシー氏が明言するBlueskyの強みとしては以下となります。

①ユーザーがコントロール権を持つ

Blueskyでは「分散型SNS(※)」を採用しています。
(※)今までのSNSとは異なる「オープンネットワーク」に基づくプラットフォームの総称であり、
  サーバーの管理権限を特定のプラットフォーム事業者に集中させていないことが特徴です。

X(Twitter)はプラットフォーム側が投稿データやサーバーを管理する「中央集権型SNS」を
採用していますが、Blueskyでは複数のサーバーが連携し、ユーザーが投稿データやプライバシー、
自分の趣味や好みに基づいた情報の取捨選択といった管理権も所有することができます。

そのため、分散型SNSは管理者(企業)でのアップデートなどの影響を受けず、自由に楽しめる
SNSとして注目を集めています。

②他のSNSからのアカウント連携を行うことができる(追加実装予定)

Blueskyでは、今後自身のアカウントを他のSNSサービスへ連携できるFederation機能の実装を
予定しています。

<参考>
Federation Developer Sandbox Guidelines(英語表記)

データの「持ち運び」という概念に基づいており、ユーザーがこれまで積み重ねてきた投稿内容や、
フォロワーとの関係性を失うことなく、新サービスへの連携をスムーズに行える機能です。
この機能が実装されれば、XやInstagramなど、別のSNSサービスで築いた人間関係を整理せずに
Blueskyでも交流を楽しむことができます。

Blueskyでできること

また、Blueskyでは現在以下の機能を使用することができます。

Blueskyでできること
◎投稿関連◎
 ・テキスト(文章)の投稿
  →全角/半角合わせて最大300文字まで投稿でき、絵文字にも対応しています。

 ・Webサイトへのリンクペースト
  →URLのみの投稿か、サムネイル(画像)を追加した投稿ができます。

 ・画像投稿
  →画像は最大4枚投稿でき、[ALT(視覚障害者向けの説明文)]も設定できます。
   また、投稿画面でトリミングや回転などの編集も可能です。

 ・返信対象ユーザーの指定
  →投稿ごとに返信できるユーザーを、[全員]/[メンションされたユーザー]/
   [返信不可]のいずれかで設定することができます。

 ・センシティブにあたるコンテンツの警告を追加
  →成人向けコンテンツに関しては、投稿ごとに警告を追加できます。

◎その他◎
 ・広告が表示されない
  →Xとは異なり、Blueskyではタイムラインに広告が表示されていません。
   Blueskyと広告収入は相性が悪いという理由から、広告以外の手段で収益を得る
   戦略を取っています。有料契約者以外は広告表示を行うXとは対照的ですね。

 ・カスタムフィード(タイムライン)の設定
  →Blueskyのフィードでは、フォロー中のユーザーの人気投稿の内容などを
   ユーザーで自由にカスタマイズすることができます。
   カスタムフィードにより、ユーザーはより関連性の高いコンテンツへの
   アクセスが可能となります。
   ちなみに、Xのフィードは主にアルゴリズムによって生成され、
   「最新のツイート」を表示するオプションが選択できますが、
   Blueskyほどのカスタマイズ性はありません。

   <参考>
   ◆カスタムフィード(Welcome Blueskyより)

  なお、Xで実装されている以下の機能は、Blueskyではまだ使用できないようです。

Blueskyではできないこと(今後追加実装される可能性も想定されます)
・鍵つきアカウント(非公開アカウント)の作成
・GIF画像や動画の投稿
・トレンド機能
・投稿予定の下書きを保存する機能
・公式マークの追加
・アンケート機能
・投稿の閲覧数表示(インプレッション)

なお、最近ではハッシュタグ/ミュートワードの機能が追加されたバージョンがリリースされました。

<参考>
Blueskyがハッシュタグ、ミュートワード、共有メニュー、
 Blueskyで投稿に対応!v1.70で機能追加

企業での活用は?

招待制が廃止されたことで利用者が増加しつつある中、既にBlueskyでの運用を開始している
企業も複数確認されています。

ウェザーニュース(@weathernews.jp)
 地震や気象情報を提供するウェザーニューズが運営する公式アカウントです。

セガ公式アカウント(@sega.jp)
 話題のゲームや様々なコンテンツを手がける「株式会社セガ」が運営しています。
 現在は事業や最新ゲームなどに関連したニュースを紹介しています。

ナガノ(@ngntrtr.bsky.social)
 ナガノさんはSNSやアニメで話題となった「ちいかわ」の作者で、
 Xでは約100万フォロワーを誇る人気イラストレーターです

企業におけるBlueskyでの活用例としては以下が想定されます。

 ・自社独自のドメインを取得/使用してなりすましやスパムを防止する
  →企業で活用する際は自社ドメインを活用することで、
   信頼できる公式アカウントであることを示すことができます。
   <参考>
   ◆カスタムドメイン(Welcome Blueskyより)

 ・他サイト/SNSサービスへのキャンペーン投稿へ誘導する
  →Xと同様にリンクを活用して別サイトへ誘導/拡散させる機能もありますが、
   現時点では各企業での広告配信やキャンペーンは実施されておらず、
   利用者もまだ少ないのが現状です。

Bluesky自体が本格的な運用を開始したばかりでもあるため、
「本拠地はまだXだけどアカウントを取得しておいて様子を見ていこう...」といった企業が
多い印象でした。

今回は、Blueskyについてご紹介しました。

Xではインプレッションを利用し、稼ぎを目的とした悪質な投稿も増加しており、ユーザーが不満を
募らせている状況です。
現在のBlueskyは快適に利用できるSNSであるため、個人的には一度Blueskyへ登録してみても良い
と感じました。

まだまだ発展途上のBlueskyが今後どのように進化していくのか目が離せないですね...

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。