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【教育】最適な学びの実現を目指す教育DX

作成者: Sophy|2026年1月13日

皆様、明けましておめでとうございます、Sophyです。
お正月はいかがお過ごしでしたか?お餅は食べ過ぎていませんか?私は安定の寝正月でした。

さて、新年一発目のブログは、教育現場における最近のDX事情を調べていきたいと思います。小学生向けのプログラミング講座を担当している私としては、このあたりの情報をしっかりとチェックしていきたいと思います!!

はじめに

昨今、日本の教室は「デジタルが当たり前の場所」になりつつあります。2019年にGIGAスクール構想が提唱されてから数年、大半の学校では、通信ネットワークや生徒一人一台の端末が整備されました。いまやデジタル端末は、”特別な道具”ではなく、鉛筆やノートと同じく教育現場に必要不可欠なものといっても過言ではないでしょう。

しかしながら、現場の最前線では「端末の更新」や「デジタル教科書の本格導入」といった新たな課題が浮上しており、次のフェーズへの移行が始まっています。

2025年6月、教育データ利活用マップ(2022年1月公開)が改訂され、新たな「教育DXロードマップ」が策定されました。このロードマップでは、以下5つの観点から取組が整理されています。

  • デジタル化により教職員の負担軽減
  • 多様な学びのための学習環境の整備
  • データにより学習者の自己理解・教師の見取りの充実
  • 生涯を通じて学びのデータを活かせる環境の整備
  • 教育政策や実践にも資する教育データの研究目的の利用

今回のブログでは、「教育DXロードマップ」の内容を中心に調べていきたいと思います。


個別最適な学び


教育DXロードマップは、教育DXのミッションを実現するための国家戦略です。

教育DXのミッション:
誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学べる社会

生まれ育った環境や生まれ持った特性等に関わらず、全ての子供たちが自分に適した学びを受けられる環境を実現するために、デジタルツールの最適な活用が重要であるとされています。

顕在化する子供たちの多様性(小学校35人学級)

学習面・行動面で困難を示す子供 3.6人
特異な才能がある子供 0.8人
家庭で日本語をあまり話さない子供 1.0人
家にある本の冊数が少なく学力が低い傾向にある子供 12.5人
不登校傾向の子供 4.1人
不登校の子供 0.7人

出典:教育DXロードマップ

上記のデータからもわかる通り、子供たちの特性は多様、全員が同じように授業を受けようと試みても困難となる場合が往々にしてあります。そんな子供たちの特性に合わせて、得意を伸ばせるデジタル活用を推進していくことが、これからの教育現場には必要となります。

本ロードマップには、授業に対してや自律的な学習に関するデータも記載されているため、気になる方はぜひチェックしてみてください。また、デジタル活用の事例も記載されていましたので、紹介させていただきます。

デジタル活用の事例(※一部抜粋)

  • 個別最適なサービス提供
    ✓ 興味関心や回答に応じて問題や難易度を調節
    ✓ 動画を活用した反復学習
  • 多様なインターフェース
    ✓ タイピングだけでなく、手書きや音声入力に対応
    ✓ 多言語や白黒反転、拡大が容易
  • 柔軟組み合わせ
    ✓ 動画教材を活用し苦手分野をじっくり学習
    ✓ ドリル教材で誤った箇所は、教科書の関連ページに遷移し復習が可能 
  • 主体的な学習を支援
    ✓ 自らの学習データから計画立案や振り返りを実施
    ✓ 生成AIとの壁打ちで不足点を見つけ考えを深める などなど

参照:教育DXロードマップ

 

教育の現場


次に、現場で働く教職員の状況を見ていきましょう。

教職員の在校時間は、数年前と比較すると改善傾向にあるようですが、依然として厳しい勤務実態であることはデータを確認するとわかります。

職種別 教師の1日あたりの在校等時間(平日)

  小学校 中学校
平成28年度 令和4年度 平成28年度 令和4年度
校長 10:37 10:23 10:37 10:09
副校長・教頭 12:12 11:45 12:06 11:42
教諭 11:15 10:45 11:32 11:01
講師 10:54 10:18 11:16 10:27
養護教諭 10:07 9:53 10:18 9:53

出典:教員勤務実態調査(令和4年度)

子供たちに最適な学びを提供するためには、校務DXを推進し、教職員の業務効率の向上や業務負担軽減を図ることが重要だとされています。

デジタル庁では、全国の各自治体で取り組んでいる校務DXの進捗を「教員と保護者間の連絡のデジタル化」「教員と児童生徒間の連絡等のデジタル化」「学校内の連絡のデジタル化」「その他」に分類し、公開しています。ここでは、新潟県の取組み状況をご紹介します。併せて、ロードマップに記載されているデジタル活用の事例もご紹介していきます。

全国の校務DXの取組み状況(新潟県、2025年3月26日時点)

  完全にデジタル化 半分以上がデジタル化
教職員と保護者間 欠席・遅刻早退連絡 41% 72%
お便り配信 5% 43%
調査・アンケート実施 25% 73%
教職員と児童間 各種連絡事項の配信 2% 28%
調査・アンケート実施 9% 57%
学校内 校内での資料共有 34% 73%
校内での情報共有 83% 83%
調査・アンケート実施 22% 74%
その他 FAXの原則廃止 25% 25%
押印の原則廃止 7% 7%

出典:デジタル庁 校務DXの取組みに関するダッシュボード

デジタル活用の事例

  • 業務の効率化
    ✓ 印刷作業の軽減
    ✓ 生成AI活用による文章作成作業の効率化
    ✓ 採点やアンケート集計作業の負担軽減
    ✓ 情報連携による入力作業の削減
  • 教師の見取りの充実
    ✓ クラス全員の状況の把握
    ✓ データ活用で、個々の生徒の見取りが充実

参照:教育DXロードマップ

上記のデータを見ると、多数の学校で取り組めている項目もあるようですが、セキュリティ対策や保護者の理解といった課題もあるため、取組みずらい項目もありそうですね。それぞれの学校に適したデジタル化を推進し、教職員の働きやすい環境の構築が重要だと感じます。


教育DXが実現する未来の学び


ここでは、それぞれの視点から見た、教育DXによって実現する将来イメージをご紹介します。

学習者・保護者

  • 誰もが
    自分の特性や得意に合わせて自己調整しながら学べる
    データを活用することで、生涯にわたって、自己成長を把握できる
  • いつでもどこからでも
    学校以外の場所(家庭に限らず)からでも、学びたいときに学びたい内容を自分のペースで探求することができる
  • 誰とでも
    専門家や異なる地域・同じ目標を持つ仲間とオンラインでつながることで、視野を広げることができる
  • 自分らしく学べる
    自らの意思でデータを共有し、適切なサポートを受けることができる
    進学や留学の際に、学びの成果をデータで証明することで、自己実現につなげる

教職員・行政

  • 学習指導
    データに基づいて、一人ひとりの状況を的確に把握することで、個別最適な指導や評価を実現
    情報を適切に管理・共有することで外部機関も含めたチームでの支援が可能となる
  • 校務効率化
    手作業の事務作業を自動化することで、負担軽減や効率化に繋がる
    保護者との連絡も円滑にできる
  • 政策の改善
    全国の教育データを分析し、科学的根拠に基づいた効果的な政策の立案やカリキュラム開発に役立てることが可能
  • EdTech産業の活性化
    標準化されたデータ連携基盤により、民間事業者がより質の高いサービスを開発・提供しやすい環境を構築する

※上記は一部抜粋して記載しております。詳細は教育DXロードマップをご参照ください。

最後に

最適な学びの実現には、取組むべきことが多く存在すると感じます。現状は、点でのデジタル化に取り組んでいる印象ですが、将来的には点と点、データとデータを結び付けることで、真の学びの最適化が実現できると思いました。

INSIGHT LABは、データのスペシャリストとして、データ活用をご支援します。また、新潟研究開発センターでは、子供たちのプログラミングへの興味関心を深めるために、プログラミング講座を開催しています。ご興味のある自治体・企業のご担当者様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。